駐在中・直後の転職活動の成功事例紹介 | 現役中堅駐在員が見た成功理由

2022年6月18日キャリア

駐在中・直後の転職活動の成功事例紹介 | 現役中堅駐在員が見た成功理由

海外駐在中・駐在後に転職に成功する人は結構います。
筆者の部下・後輩・知人でも何人もいて、これまでそうした人たちとは色々とキャリアについてお話をする機会がありました。
(相談というほどたいそうなものではなく、お互い転職活動経験・駐在経験を共有するという感じです)

本記事では、そうした経験を通じて筆者が見た駐在後の転職の成功事例と、成功の理由について解説します。
駐在後のキャリアで悩んでいる人の一助になれば幸いです!
(尚、個人情報に配慮し事例は一部ボカしてありますのでご了承ください)

事例①:専門商社で東南アジア駐在⇒金融系企業へ転職

知人の事例ですが、20代後半から専門商社で東南アジア某国に3年間駐在していたA氏は、自身のキャリアの今後を考えた時、より給与面・キャリア面でアップサイドの見込める金融系業界への転職を志望しました。

A氏は海外駐在中からビズリーチなどの転職サイトに登録するとともに、金融系の求人に強いより小規模なファームにも連絡して情報収集・面談の準備をしていました。

A氏の仕事は専門商社のなかでも比較的金融の知識が必要な部署であったので、当時30代前半だったA氏は、その業務経験と駐在経験・営業力を強調し、「即戦力だがポテンシャルもありそう」といったアピールポイントを組み立てたようです。

最終的にA氏は海外駐在中からいくつかの金融系企業の求人に応募し、Zoomなどで面談を行い、最終面接のみ日本に一時帰国のタイミングに合わせてもらって数社面接を行い、最終的に語学力・営業力も重視する1社からオファーを貰い、駐在を切り上げその会社に転職しました。

給与額は聞いたことがありませんが、年収UPする転職だったとのことです。

成功要因

駐在時の経験を活かして転職のストーリーを組み立て、海外駐在中でもうまく面談を進めた転職事例だと思います。

特に、30代初めの海外駐在中に転職活動を開始したのが良かったのではと筆者は考えています。
リモートでの転職活動をするのは少し不利ではありますが、リモートでの転職活動を避け駐在期間終了の30代半ばまで待ってから転職活動すると格段に難易度が上がりそうだからです。
一方、駐在前であればこの転職先に転職成功していたかは不透明なので、まさにギリギリのタイミングで駐在を上手く使って転職した例だと思います。

PexelsのOleksandr Pidvalnyiによる写真

事例②:金融系企業で米国駐在⇒ブランド企業の経営企画部

金融系企業で米国に5年間駐在し、30代前半で帰国したB氏は、駐在中から情報収集、キャリアアドバイザーとの面談を行うなどして転職の準備を行っていました。
帰国直後に的を絞っていくつかの企業にキャリアアドバイザー経由で面接を実施し、某ブランド企業の経営企画部ポジションに給与ほぼ据え置きで転職していました。

某ブランドは海外でも事業を展開しており、米国駐在の経験から、英語も堪能且つ海外での事業遂行能力があるとアピールできたB氏は求人スペックに合っていたようです。

その後B氏は数年そのブランド企業の経営企画部で活躍した後、今はそのブランドでの業務や駐在経験をもとに独立して事業をされています。

成功要因

B氏と私は仕事でご一緒する機会も多く良く話していたのですが、とにかく異文化の中でも交渉力と度胸のある人でした。駐在前から優秀な人だったようですが、特に駐在を通じて現地の有力なビジネスパーソンと渡り合ったことが転職の際にも活きたようです。

加えて、B氏が最終的に独立して始めた事業は、米国駐在中に見つけて現地の経営者と密に情報交換していたビジネスでした。つまり、米国駐在中に本気で打ち込んだビジネスが、最終的に自分が日本で独立して始める事業に繋がったのです。

日本にはまだない技術・ビジネスに触れて研究できるというのも、駐在の持つキャリア上の魅力の一つだと思います。

事例③:ITマーケティング企業の東南アジア駐在⇒全く異業種の日系大企業のDXポジション

特殊な事例ですが、東南アジアに30代前半から駐在していた知人のC氏も、海外駐在中に転職を決めていました。

元々ITマーケティングの仕事をしており、その仕事の関係で東南アジアの某国に3年間駐在していたのですが、コロナ禍で事業及び所属先の先行きに疑問を持ったことから、試しに畑違いの某日系グローバル企業の中途採用に応募したのがきっかけでした。

というのも、その某日系グローバル企業は事業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めており、そのための中途ポジションを募集していたからです。
C氏の海外でITマーケティングの仕事をしていたスキルセットが合致していたのです。

C氏は駐在先からZoom面接のみで面接を進めてそのままオファーを勝ち取り、それを基に駐在先から本社に辞職すると伝え、帰国後即転職したのです。

転職後に飲みに行きましたが、この転職により年収は1.5倍になったといって喜んでいました。

成功要因

成功理由は、C氏のスキルセット・経験が合致していたことだと思いますが、この話を聞いて「やはり駐在先からでも転職活動ができる世の中になったな」と思いました。

コロナ禍で企業の活動様式はだいぶ変わりましたが、特に大企業ではZoomなどのツールを使うことやリモートワークが一般的になっているので、「ポジションにスキル・経験が明らかにマッチしていれば」最終面接までリモートのみで行うこともあるという実例だったからです。

Mikael Blomkvistによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/6483582/


終わりに

以上、筆者の身近で聞いた駐在から転職の事例についてまとめました。(個人情報のため、細かいところはボカしていますのでご了承ください)

成功要因を見ると、駐在の経験をうまく生かしていたり、駐在のデメリットである距離・時差を自分のスキルセット・経験に合う職種に応募することで乗り切っている(募集側に対する転職者側の交渉力が強い転職をする)とわかります。

駐在中・後での転職でも十分成功できると思いますし、駐在中にもし今の仕事から他に移ってみたいということであれば、日本にいるときと同様に転職活動をしても実りがある世の中になったと言えるでしょう。

リモートでの転職活動が容易になり、駐在中に転職活動をすることの難易度は低くなっています。
駐在をキャリアアップのステップとして考えても良いのではと、個人的には思っています。

それでは、Have a nice day!

キャリア

Posted by kkrchuzai