海外駐在時期の交渉や海外駐在を断るときの理由5選

キャリア

別記事で書いたのですが、過去、筆者は海外駐在に行く時期を交渉したことがあります。

色々と事情があったのですが、その事情以外にも、確実に会社側にも納得してもらうために色々な理由・ロジックを考えました。また、周りの駐在員にこういう時どう交渉しているか聞いたりもしました。

本記事は、そうした筆者の経験を基に、海外駐在の時期を交渉したり、断るときの理由を5つまとめました。
駐在の話が内々であるけど時期や国が不満で困っている、といった人が交渉するときの参考になれば幸いです。

海外駐在は人生を大きく変えます
100%運任せ・会社任せにするのはやめて、交渉できるところは交渉していきましょう!

単身の場合(自己都合の場合)

いきなりですが、単身の人はなかなか駐在の話は断りづらいです。
それは、駐在を断る・延期する理由が、自分の好み(どの国に行きたい)や、自分の人生・キャリアプランでしかないので、会社側が「海外転勤ありという前提で雇用しているのだからワガママ言うな」と押し切りがちだからです。

しかし、昨今は人手不足が叫ばれていて、更に海外駐在を希望する人がだんだん減ってきています。
そんな中、海外駐在をしても良いかな、と考えている貴方は貴重な人材。以下のような理由であればある程度時期を遅らせられる・断れる可能性があります。

①結婚の予定がある

良く言われることですが、駐在員の婚活はタイミングなどの問題もあり難しくなりがちです。(以下別記事でも書きました)

ですので、内々で打診があった際に独身であった場合は、「婚約を急ぐことによって駐在を断る・遅らせる」という選択肢があります。

実際にこの手法を取ってる人も聞いたことがあります。
内々で打診された赴任時期が半年くらい先だったのですが、その後すぐに婚約し、相手の家庭の事情で結婚式を1年先にしないといけない、みたいな話でした。

「婚約したから」とか「結婚式があるから」というだけだと駐在を断る・遅らせる理由としては弱いですが、その先の義実家の事情なども絡めると、駐在を断る・時期をずらす理由としては強くなると思います。

②親の介護が必要

単身でも強力なカードとしては「親の介護が必要」という断り方・交渉の仕方があります。

海外転勤必須の職業であっても勤務途中に介護が必要になる事はありますから、もちろん本人のせいではないですし、諸々の家庭内事情には外の人が口出ししにくいです。

ただし、本当に介護しているのか、介護が必要な状態なのか嘘をつかないようにしましょう
会社もしっかり見ています。介護の必要があると嘘をついて駐在を断ったり遅らせたりして、のちにバレた場合は非常に居づらくなることが考えられます。

あくまで、既に介護休暇を取っているとか、親と同居していて他に頼る人がいないなど、やむを得ない場合に理由としてあげましょう。正当な交渉理由だと思います。

家族がいる場合(家庭の事情の場合)

家族がいる場合は、単身と比べると駐在を断る・遅らせるのが若干簡単になります。

しかし、「家族の反対がある」くらいの弱い理由・ロジックだと、「単身赴任すればよい」という議論になりかねません。
ですので、家族がいる場合の注意点として、単身赴任の選択肢を潰せるようにロジックを考える必要があります。

①出産を控えている(本人・配偶者)

本人が出産を控えている場合はかなり強い理由になります。
これに準じますが、妊活している(実際に治療を受けている)というのも、どこまで上司・会社に開示するかは要検討ですが、強い理由になりえます。
これらの理由で、少なくとも赴任時期をずらすことはできますし、その後の子育ても考えれば比較的長い期間赴任時期をずらす必要があり、そうするとそもそもの駐在の話が立ち消えになる事もあります。(もちろん、それが良いことなのかはわかりませんが…)

駐在は何度でもいつでもまたできるかもしれませんが、子育てはできる時期がある程度限られているのは事実です。駐在は大きく人生プランが変わるので、悔いのないプライベート人生をおくれるよう、出産・子育てといった重要局面ではきちんと交渉しましょう

また、昨今は官民ともに子育て支援をしようという空気が醸成されてきているので、配偶者が出産を控えているといった場合でも比較的交渉力が出てきているようです。
実際、筆者の周りで、日本国内で出産・その後の生活が落ち着くまで家族と同居したい、という理由で駐在赴任時期を後ろ倒しにできた人も知っています。

②家族の健康上の理由

これもロジックの組み方によっては強い理由にできます。

配偶者や子供の病気の治療が必要だったり、アレルギーなどの懸念があったりして、特に新興国への帯同が難しいことはありえます。
しかし、先ほども触れましたが、その時には「単身赴任」を打診される可能性があります。
家族の健康上の理由は、理由としては強いですが、加えて、単身赴任であっても難しい理由、を別途考える必要があるのです。

このため、筆者の周りでは、他の理由との合わせ技で交渉している人がいました。

よく考えて、合わせ技一本で会社・上司を説得できるようなロジックを考えてみましょう!

筆者が聞いたことある例だと、単身赴任した場合、義実家・実家含め頼る人がおらず配偶者から強固に反対されているとか、子供の受験を控えていてそれが落ち着くまで待ってほしい、といったようなロジックは聞いたことがあります。

③家族の反対 *要注意

駐在赴任・海外での生活は、駐在員本人だけでなく、家族にも大きなストレスになる事が多いです。
ですので、海外赴任を断る・遅らせる理由で家族からの反対を挙げる人も多いです。家族と話し合って受け入れられなそうだったら家族からの反対はもちろん理由の一つにはなりえます。。

しかし、こうした家族の反対は、上記の健康上の理由よりも弱い理由にしかならないと認識しましょう。
というのも、家族が反対しているから、というだけだとどうしても「ワガママ」「好みの問題」に聞こえてしまい、病気や介護と違って客観的に駐在がダメな理由になりづらいからです。

前述の家族の健康上の理由のように、基本的には、家族からの反対という理由は別の理由と組み合わせて使うと良いと思います。

合わせ技一本を狙う感じのイメージです。

尚、駐在中のプライベートのストレスについては以下記事でまとめていますので、家族と話すときの参考にしてください!

Point
  • 自己の都合<<家族の都合、で説得しやすい
  • 単身赴任の理由を潰すためには、「合わせ技一本」を狙うロジックも大事
  • ワガママで断っているように見えないようにロジックを組む

余談:前任の人を気にするべき?

駐在時期を交渉して遅らせる場合は、前任の人が帰任できない、ということを意味します。かわいそうですね。

しかし、そこは考えても仕方ないので、あまり気にしないようにしましょう!笑

そもそも、コロナ後の傾向として、各社では駐在期間が伸びる傾向にあるようです。筆者の会社でもそうですし、周りの会社でも聞いているとそういう方針の会社がちらほらあります。

ここら辺は別記事でも書きましたのでご参照ください!

厳しい地域へ行っている前任の人がなかなか帰れないのはかわいそうですが、そこに気を使って交渉しないで駐在しても、会社も前任の人も何かしてくれるわけではありません。
主張できるものはどんどん主張していきましょう!

重要:強気の交渉のためには最終的に転職するオプションも

交渉をする時に最も大事なのは、代替案です。

英語でBest Alternative To a Negotiated Agreement(BATNA)と呼ばれ、交渉術・理論の本を読むと必ず出てきます。つまり、交渉してうまくいかなかったときの最善の代替案という意味ですね。

このBATNAを持っていることが、交渉を上手く進めるうえで一番大事なことのうちの一つと言われます。

そして、駐在の交渉に関して、このBATNAは「(自分にとって納得できる)良いポジションでの転職」です。

「駐在時期や駐在を断る交渉が受け入れられなかったら、会社を辞めて転職します」
これが言える立場であれば、それだけでだいぶ交渉力が高まります。
本当に最後の手段ですが、「それなら辞めます」と言えれば、駐在内示を撤回させる事すらできるのです。

前述もしましたが、ここ数年は人手不足がどの会社でも深刻ですし、海外志向の人も減っています。
貴方が海外駐在を打診される程度には会社から評価されているのであれば、この転職オプションを最後の切り札として使えれば駐在を断われる・時期をずらせる可能性は高いでしょう。

個人的には、駐在内示に向け根回しを進めていくのと並行して、転職オプションを探っていくのが良いと思います。

終わりに

以上、海外駐在時期の交渉や海外駐在を断るときの理由5選でした。

駐在は人生を大きく変えます。そんな駐在を控えている方が、会社と交渉していくのにこの記事が少しでもお役に立てば幸いです!

それでは、Have a nice day!

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Posted by kkrchuzai