海外駐在に行く国は選べるのか?なるべく行きたい国に駐在するためのTIPSを解説
海外駐在でどの国に行くかで、人生はだいぶ変わります。
行く国によって人格・性格が(若干)変わった人もいますし、人生・生き方を見直して転職・起業する人もいます。
婚約・結婚に限っても、インドに行く事になって婚約破棄になった人もいれば、欧米やシンガポールに行くというので慌てて交際相手を作ったと思ったら3か月で結婚して帯同駐在した人もいます。
また、結婚後も同様で、行く国によっては単身赴任になり配偶者や子供と離れ離れになったり、帯同で子供の教育を含めて良い暮らしが出来たり、家族の人生も大きく変わります。
そんな「駐在に行く国」という重要要因を、自分の意志で選ぶことはできるのでしょうか?
筆者は現在2回目の海外駐在中です。
これまでの仕事人生で、駐在の内示を受けた時には基本的に断ったことはありません。
しかし、行きたい国に行けるように画策したり、行く時期の調整などは考えられる限りしてきました。
(そうでなければ若手の時に駐在できなかったと思いますし、今の会社に来てからこんなに早く2度目の駐在はできなかったと思います)
また、駐在している時も、していない時も、周りの同僚や知人で「行きたい国に駐在するために色々と画策している人」と情報交換をしてきました。
本記事では、そんな筆者の経験をもとに、「なるべく行きたい国に駐在する」ために個人として何ができるのか、という点について色々なハウツーを解説できればと思います。
特にこれから駐在を目指す人、複数回目の駐在を考えている人のお役に立てれば幸いです!
尚、初めに断っておきますが、人事の話なので、駐在国の希望が通るかはどれだけ努力しても100%の確率では希望道理になるとは限りません。ですが、駐在ポジションがいくつかある大きめの会社なら、ある程度のコントロール&確率を上げるのは可能かと思います。
駐在は位置取り・根回しが9割
駐在は人事です。
そして、人事は情報戦です。
そして、人事の選択肢はどの会社・どの部署にいるかでほぼ決まります。
位置取りがまず大事
希望の駐在国や時期があるなら、それから逆算して入る会社・部署を選びましょう。
入る会社を間違えた、駐在しづらい部署に配属されてしまった。
そういう時は、今すぐ迷わず転職活動を開始しましょう。
必ずしも本当に転職しなくてもいいんです。今の会社で部署異動を会社に迫るにも、内定をもらっている/内定が近い転職先のオプションがあると(それを会社に言うかどうかは別として)強気に出れます。
いわば、転職は人事において弱者である従業員の切り札です。
位置取りを失敗したと思ったら、とにかく武器をそろえることが大事です。
位置取りがあっているかは複数の情報ソースから確認する
ただ、この位置取りがあっているかは、しっかりと確認したほうが良いです。
駐在に関連してよくある話として「入る部署は間違っていなかったと思っていたが、思ったより駐在の順番が回ってくるのが遅くて、駐在したい時期を逃し、自分の職価値も減ってしまった」というものがあります。
こうした「読み間違い」を避けるには、やはり複数の情報ソースから確認する必要があります。
具体的には、駐在人事の決まり方、駐在先のポジションで必要なスキル、自分の年齢層(多くのJTCはやはりこういうカテゴリで判断しています)に対する会社の方針、などを社内で把握していかないといけません。
筆者は、会社に入る前に(内定後に)直接聞いたこともありますが、それに加えて、上司や先輩と飲み会に行ってこの手のことをそれとなく聞き出していました。
尚、飲み会での駐在人事プロセスの聞き方にもコツがいります。
「〇〇(国名)に行きたいんです!どうやったらいけますか?どう決まるんですか?」とかの直接的な聞き方は可愛げがないし警戒されます。
「△△さんは最近〇〇(国名)に異動になりましたけど、どうして選ばれたんですか?」とか「〇〇(国名)のポジションってどういうスキルセット・経歴の人がいくんでしたっけ」とか「最近の若手(自分が含まれる層)の海外駐在って増えてるんですか?」とかの形でさり気なく聞くのが良いです。
筆者はこうした形で情報収集していました。
根回し・根回し・根回し
位置取りが問題ないとわかったら、次は根回しです。
会社のカルチャーや上司の人となりや自分の評価に拠りますが、筆者は以下のように根回ししていました。
(上記の情報収集で会社の文化・人事の決まり方がわかると思うので、それに応じて個別調整が必要です)
- 人事面談・偉い人との飲み会などがあったら、どの国に行きたいか、まで具体的に希望を言う
- 逆に、駐在の話が全くなくても、どこの国には絶対行きたくないかを(家族の反対があるなどの理由付きで)伝える
- 英語/現地語(英語圏でない場合)の勉強をして、現地で溶け込めそうな話題を趣味にする
1つ目は会社によると思いますが、筆者の会社はアピールが大事そうだったのでガンガンアピールしました。
2つ目は「自分には伝えられていないけど駐在の話が進んでいる」ことがあるので、くぎを刺す意味であらかじめいうようにしていました。
例えば、インド赴任は単身赴任でも無理(共働き且つ家族の反対が強い)、というような感じです。これは自分の好みで言っていると思われると「単にワガママな奴」と思われるので、家族の反対・病気・介護などを説明するのがベストです。
3つ目は例えばアメリカ駐在を目指すのなら、高度な英語学習以外にもアメフト・NBA・MLBが好きで毎週見ている、みたいなアピールをします。現地の人が好きな話題をカバーしているので「現地で駐在先の人とうまくやっていけそうだ」と思ってもらうのです。
この方法は結構使えて、1つ目の「どの国に行きたいか」のアピールに自然に繋げられます。
尚、英語学習については別記事も書いているのでご参照ください!
実は、最近はここまでする人はあんまりいません。
ですので、逆に言うと、ここまでやってると覚えてもらいやすいし、優先度が高くなるんです。
一方で、こういった根回しのベースとして、現状の仕事をきちんとできるようにする、年齢上の人とのコミュにケーション力をつける、という点ももちろん必要です。
この点については過去記事を書きましたので、ご参照ください。
上司に内々で言ってもらえる関係を作る
上司との関係は重要です。
なぜなら、人事が決まる前になんとなくでも上司には必ず話が来ているものだからです。
(ただし、金融機関は人事部がすべてを決めていて上司に話がない場合もあります。これは仕方ないです)
そうした「柔らかい話」が来た時に上司から内々で言ってもらえる関係を作りましょう。
人事の話は先手必勝で、対処は早ければ早い方が良いです。
遅きに失すると、「玉突きで動く人に既に言ってしまったから撤回できない」とか、「もう偉い人が決めてしまったから今更覆せない」といったことが起こります。
筆者の現職は通常海外赴任の内示は3₋6カ月前なのですが、筆者は上司ときちんと関係を作っていたので、約10カ月前には「このポジションには君を推薦したいし多分決まると思う。どうか?」といった話がありました。
嫌な駐在先はきちんと断る/時期をずらす交渉をする
行きたくない国に行く3年間より、日本で3年間(+転職活動)する方がはるかに良いです。
これは現部署がかなりブラックだとか、転職価値が落ちていくいっぽう、という場合以外には大体当てはまると思います。
ですので、嫌な駐在先はしっかり断るとか、時期が嫌な場合はずらす交渉をしましょう。
これも、上記で触れたように、上司から内々で話が来るようにしておくことが必須です。
交渉できないタイミングになってから伝えられてしまう場合は、左遷される覚悟で断るか嫌々行くかになってしまいます。
これに対し、内々で言われた段階で断るのなら、そこまで不利になる会社は少ないのではないでしょうか。
海外志向の人材が減っている今、そうした人材は会社としてもあまり手放したくはないです。
これからの駐在員に求められる人材像などは別記事でまとめていますのでご参照ください!
きちんと断れた方が、最終的には行きたい国に行きやすくはなると思います。
尚、どういった国が嫌かわからない、という人は、1つ目の位置取りの話で触れた情報収集をもっとするべきです。そうすれば、どの国に行くとどうなるのか、色々な傾向が見えてくるはずです。
例えば、インドに駐在した人はインド色が付く会社が結構あるようです。その後も何回もインドに飛ばされたりするようです。こうしたキャリア上の影響が大きい駐在国はしっかり見極めましょう!。
断り方については角の立たない理由がいくつかあるので、別記事で今度まとめようと思います。笑
余談ですが、行きたくなかった国でも行ってみたら好きになることもたまにはあります。
出来たら旅行をしてみるのが良いですが、お勧めは先輩駐在員のブログやTwitterで生の声を集めることです。それで足りなければDMしてみましょう!
2度目以降の駐在はローカルスキルのアピールを戦略的に
2度目以降の駐在に限った話ですが、2度目も同じような国に駐在したい時は〇〇(国名)人材になれるように駐在中・駐在後に頑張りましょう。
具体的には、現地語学・文化をきちんと学ぶ、現地のネットワークを広げておく、その国や地域で必要なスキルセットをきちんと身に着ける、といったことが基礎として必要です。
加えて、社内でアピールを戦略的にするのが大事です。
〇〇(国名)なら△△さん、と言われるように、周りの人に知識を共有したり、社内で勉強会・講演をしたりといった活動をしましょう。特に勉強会なんかはお勧めです。筆者も帰国したらやろうと思っています。笑
若しくは、一度行った駐在先が合っていなかったのでもう行きたくない、という場合は、〇〇人材にならないよう注意していきましょう。
筆者の知り合いの人で、昔某国に駐在していたのですがその話を全くしない人がいました。飲み会でも言わないですし、その国の話題・仕事になっても決して自分が知見があるところを見せませんでした。さらにはLinkedInの経歴からも消していました(笑)。
これくらい臭いを消しておくと、もう一度その国に駐在させられる可能性は減ってきます。
駐在後に再度同じような国に行くキャリアって多いんですよね。どうしてもいやな場合は臭いを消すのを頑張りましょう!
駐在後のキャリア分類については別記事を書いていますのでご参照ください!
終わりに
以上が筆者の経験・周りの駐在員との話をベースにした、なるべく行きたい国に駐在するTIPSです。
読者の皆さんで、違う方法がある、うちはこうだった、などがあれば是非聞きたいです!コメントでもTwitterでも是非絡んでください!
この記事が駐在国に悩む人に少しでもお役に立てれば幸いです!
それでは、Have a nice day!
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