気になる駐在後のキャリアって?マネジメント、再度駐在、転職?よくあるパターンを解説。
駐在員になった/駐在員を目指すのはいいけど、その後のキャリアってどうなの?というのは意外と情報がないかなと思うので、私の周りの駐在経験者のその後を見て気づいた傾向・分類をまとめました。
結論から言うと、駐在後のキャリアについては、再赴任(同じ地域にスペシャリスト)、他国への横滑り赴任、本社管理職として出世、転職というのがよくあるパターンのように思います。
勿論、各社色々と違うと思いますので、異論反論いただけると嬉しいです!
駐在後のキャリアの3分類
そもそも論ですが、会社の中で具体的に人事施策として駐在後のコースが決まっているという企業もたまにあるのですが、私の知り合いのいる企業では結構ブラックボックスのところが多かったです。ただ、一定の傾向はあるように思っています。
駐在後のキャリアでよくあるのは、大きく分けると、以下の3つ(細かく分けると4つ)になると思います。
- 再赴任組
- 地域スペシャリストとして同じ地域に再赴任
- プロフェッショナルマネジメントとして違う地域に赴任
- 本社で経営陣候補として出世
- 転職
尚、再赴任組に限っては、2-3年は日本で勤務しそれからという人が多いように感じています(ただ、プロフェッショナルマネジメントとしての赴任は、横滑りでそのまま駐在する人も最近は増えてきました)。
以下で詳しく説明していきます。
再赴任組
私の周りにはこういうタイプの人が非常に多くいます。駐在を横滑り、若しくは少し間をおいてまたすぐ同じ国や近隣の国に赴任するなどして、本社には20年間勤めて4-5年しかいないという人です。
いわゆる海外人材ですね。
どうして同じ人が何度も駐在に出されるのか、はやっぱり理由があるかなと思います。
一番の理由として思いつくのが、海外での順応力があることが証明済だということです。海外駐在において、異文化の中でのコミュニケーション能力、生活構築力、ストレス耐性などは非常に重要です。英語力は重要ですが、このような基礎的な力に比較すると実際そんなに重要ではないです。
そしてこういった順応力は日本にいる間はなかなか測りにくいです。なので、必然的に過去駐在した人が選ばれやすいという傾向があります。
更に、この再赴任組ですが、分類すると以下の2種類の人たちがいると思います。
地域スペシャリスト
これは、現地の言語、商慣習などに精通した人で、この地域ならこの人に任せよう、という人です。1度目の駐在でこのレベルに達した人は、同じ地域にまた数年後に駐在させる傾向が強いように思います。
また、このレベルに完全には達していない人でも、例えば現地語(中国語、イタリア語など)が堪能だとかになっていると、会社の中で地域スペシャリスト候補としてみなされて、再びその地域に派遣されることが多いように思います。
海外拠点のプロフェッショナルマネジャー
これは、海外拠点で異文化の部下、同僚、お客さんを相手しながら、経営陣として結果を出していける人材です。
異文化という壁を乗り越えて社員をモチベートする能力が高いとか、海外拠点で求められる戦略、事業展開を着実に実行できるとか、海外拠点の社員をきちんと掌握して事業計画や数字周りをきちんと管理・レポーティングできるとかの能力がある人の事です。
こうした人は、特に複数の海外拠点があるような企業では、違う地域の海外拠点を転々としていくキャリアになることが多いと感じています。
本社で経営陣候補組
駐在で結果を出した人は、本社で経営企画部に配属されたり管理職(若手のうちに駐在した人は準管理職ポジションやプロジェクトリーダーなど)に登用され、本社で経営陣候補として出世することも多いです。
また、このような人は本社で出世しつつも、どこかでまた上で書いた「海外拠点のプロフェッショナルマネジャー」として海外拠点のCXOのポジションで駐在することもあります。
ただ、勿論、駐在したからと言ってこうした出世(経営陣候補になることが出世というのなら )が確約されているわけではないです。
私が見ている限り、駐在先でなかなか結果が出せなかった、若しくは結果を出したが帰国後の本社勤務でなかなかパフォーマンスが悪かったという人は、やはり一旦は出世コースから外れてしまうか、地域スペシャリストを目指すか、(次に書きますが)転職というルートに進んでいるように見えます。
転職組
駐在後に転職する人たちも結構います。タイミングとしても、駐在先から転職サイトに登録して転職活動をする人もいます(帰国後に即転職)。今はZoomとかで面接できますし、時差があると逆に面接しやすかったりしますからね。ただ、やはり最終面接ではFace to Faceで日本で面接する、というところが多いようです。
私の周りでも、かなりの割合で駐在直後の転職組がいます。尚、転職先で多いのは、主に日系企業や日本の外資系企業などです。
その理由としては以下があるかなと思います。
- 駐在中の手当と給与増による金銭的余裕(数年間、少しくらい年収が下がっても余裕)
- 駐在をやり切ったことによる自信、転職先からの評価
- 海外生活で見えてきた自分の新しい生き方・方向性
1つ目はわかりやすいですよね。
給与増の転職にチャレンジしてもなかなか上手く行くものではないですので、多くの人は転職だと年収ダウンも考慮しないといけません。年収を落としてベンチャーに幹部候補として転職する場合なども、当座数年間の年収ダウンに耐えられるたくわえがあった方が踏ん切りがつきやすいです(家族持ちは特に)。
2つ目も意外とあります。
駐在のミッションに拠りますが、海外で事業を立ち上げる、軌道に乗せる、改善する能力は、それを現場でやり切ったことを力強く語れれば大きなアピールポイントになります。多くの会社において、本社よりも駐在先の方が組織が小さいので、自分の裁量も大きく、その分やり切れば自信もつきますし、転職面接でもアピールしやすいです。私も転職の時はこれを結構アピールしました。
3つ目は、駐在に行くまではよくわからないですが、行った人からは良く聞きます。
海外で仕事<<<自分の生活、として働いている人を見て今までの仕事中心の生活を見直した、つらい海外生活(新興国に多い)で家族の大切さが身に染みて家族を優先しようと思った/次回は駐在がない仕事に転職しようと思った、等々。海外駐在は自分の生き方を見直すきっかけにもなるので、それで転職する人も多いです。
会社としては、せっかく駐在という成長できる場に出した人に辞められてしまうのはもったいないので、私も自分の会社ではもっと何か手を打って行かないといけないだろうな、と考えています。
ただ、この点に関して、私の中ではどうしたらよいのか答えは出ていません。
今回の記事趣旨とはずれますが、若し読者の皆様の会社で「駐在後の転職を防ぐためにこういう取り組みがあるよ」というのがあったら教えてください!
終わりに
以上、2度の駐在経験がある私が周りでよく見る駐在後のキャリアでした。
余談ですが、以前別の記事でも書いたように、駐在員に求められるミッションは昨今変化してきていると感じています。そして、その中で駐在員として求められる能力も複数のパターンに分かれていくでしょう。
新時代の駐在員のミッション、求められる人材像
欧州駐在員が、コロナ禍後の世界での駐在員のミッション、求められる人材像について考えました!
そうした背景のもと、駐在を経験した人のキャリアも同じく、会社の中でも様々に枝分かれしていくと思います。その中で、この分類のうちのどれかは無くなっていったり、全く新しい駐在後のキャリアが出てくるかもしれません。例えば、駐在先でそのまま現地就職するとか、駐在する人としない人で完全にコースが分かれてしまうとか(海外転勤あり職種、なし職種、みたいな)。
皆さまの周りで駐在後のキャリアとしてこういうキャリアも出てきている!というのがあれば、ぜひ教えてください!TwitterのDMも開放してます!
それでは、Have a nice day!
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