海外駐在中の資産運用:注意点とよくある落とし穴
海外駐在では、追加の手当てなどで余剰資金が出来ることが多く、資産運用を考える駐在員も多いと思います。
また、昨今ではオンライン証券やオンラインの投資プラットフォームも増えており、海外駐在中でも投資・資産運用がしやすくなっています。
一方で、海外駐在中の資産運用はこれまで一般的ではなかったため、会社や個人で海外駐在時の資産運用についての注意点やよくある落とし穴を避けるノウハウがたまっているとは言えない状況です。
本記事では、そんな海外駐在中の資産運用について、ファイナンシャルプランナー資格を持ち金融業界での勤務経験もある筆者が、注意点やよくある落とし穴をまとめました!。
海外駐在中に資産運用をしたい・している人に少しでも役立てば幸いです!
赴任前:日本の銀行口座、NISA口座、証券口座など
日本の銀行口座
筆者は、赴任前に作っておく日本の銀行口座として、ソニー銀行をお勧めしています。
海外在住になり日本非居住者になっても口座利用が可能なことに加え、外貨預金口座を直ぐに作成可能で海外ATMでも引き出せることや、為替両替手数料が無料であることなどの利点があるからです。
また、外貨の定期積立も可能なので、赴任前に定期的に外貨を積み立てておいて赴任時の支出に備えることも可能です。
詳しくは過去に記事を書いたのでご参照下さい。
多くの人は海外赴任後に現地の銀行口座を作ると思いますが、一般的に口座開設手続きには数日から一週間程度の時間がかかり、現地通貨で給与等が振り込まれるのにも若干の時間がかかるはずです。
赴任から現地通貨の準備ができるまでの間に何かあった時のため、海外でも引き出せる日本の外貨銀行口座を持っておくと安心ですよ!
口座開設はタダですし、たまに口座開設キャンペーンで現金がもらえたりします。作っておいて損はないです!
日本のNISA口座、証券口座を出来るだけ維持
赴任前に株式投資などをしていて証券口座がある場合は、なるべく口座を維持できるように手続しましょう。
海外赴任する人(非居住者になる人)のNISA口座の取り扱いは、証券会社によってまちまちです。
NISA口座解約(投資している証券は売却)になると、せっかくNISA口座で投資した免税期間が終了してしまいます。まだ売りたくない投資の場合、これはとてももったいないです。
対策として、NISA口座は非居住者でも解約にならない証券会社に移しておくとよいです。NISA口座は事前に手続きすれば売却せずに他証券会社に移行可能ですので、各社の非居住者への対応を調べてみて、口座解約にならない証券会社に移しましょう!
尚、証券会社の対応は時と共に変わっているので詳細記載控えますが、筆者が赴任した時は楽天証券ならNISA口座を維持できました。(2023年3月現在、楽天証券は他証券会社からのNISA株式受け入れを中止しているようです。残念…)
また、細かい点ですが、追加でもう一つ注意点があります。
既に運用している人にはもう遅いのですが、海外赴任がある人のNISA口座投資で重要なのは、分配金再投資型に投資しないことです。分配金再投資の商品を買ってしまうと、非居住者として証券の購入をすることになり、規定に反するという理由で強制解約される証券会社があります。
見落としがちなポイントなのでこれからNISA口座で投資する人は注意してください!
また、普通の証券口座については、筆者はSBI証券をお勧めしています。
これは、非居住者でも口座維持ができ、海外からも売却ができるからです。証券会社によっては完全に凍結(売ることもできない)という所もあるようなので、これは使いやすいです。尚、買い付けは不可です(これはどの証券会社でもそうです)。
- NISA口座は維持できる証券会社を探して余裕をもって移行しよう
- NISA口座で配当再投資の証券を買っていると解約せざるを得ないことも
- 普通の証券口座は、SBI証券など海外非居住者でも口座維持・売却が出来るものが良い
日本の確定拠出年金(DC)、持株会、iDecoなどはできるだけ利用する
海外赴任中も日本円で貰う給与があり、日本円で余剰資金が出来そうな人で、勤務先にDC年金/iDecoや持株会がある場合は、余剰資金の枠内で(リスクを見ながら)できるだけ積み立てするのがお勧めです。
何故なら、海外駐在中は日本円を使う機会はそうそうないからです。インフレの環境下では、貯金しているだけでは実質的に貯金の価値は目減りすることが多いです。こうした余剰資金は時間をかけて積み立てに回すことでリスクを抑えて中長期的な資産運用資金にすることができます。
資産運用では、積極的な運用をしたい場合以外は、時間をかけて積立投資して「投資時期の分散」も心掛けた方がリスクを抑えられます。
駐在中の日本円での余剰資金は(日本非居住者であることから)積極的な運用が難しいのですが、iDecoなどであれば非居住者でも積立できたりします。こうしたものを活用することで、リスクを抑えられます。
こうした駐在中の資産運用に対するよくある反対意見として、駐在中は貯金して帰国後に資産運用に振り向ければ良いのでは?、というものがあります。
しかし、帰国後がちょうど相場の天井だったらどうなるでしょうか?
例えば、2021年に帰国した人が帰国後に貯まった駐在マネーを投資していたら、2023年1月現在では大きな含み損になりそうです。2021年より前の駐在中に積立投資をしていたら、含み損は少しでも抑えられます。
- 日本で余剰資金・余剰な給与があり、非居住者でも積立ができるもの(iDeco、DC年金、持株会等)があれば、積極的に利用しよう
日本から海外口座への送金はWise(かRevolut)
上記のように日本で非居住者でも出来る積立投資をした上で、更に日本円の資金が余っている人は、駐在先の現地口座へ送金して資産運用しても良いです。
こうした日本⇒海外への送金の際は、色々試しましたがよっぽどの理由がない限りWiseがお勧めです。
銀行送金より圧倒的に楽だし手数料も安いです。ただし、注意点としては、1回あたり100万円までしか送れないです。
比較的送金手数料の安い銀行であるSMBCプレスティアならもっと多額を送金できるのですが、口座維持手数料も取られてしまうので、通常はWiseの方が合理的・安価だと思います。
また、送金する金額によっては英国発のネット銀行であるRevolutも使いやすく、為替手数料・送金手数料も安いです。Revolutでの送金方法・メリットについては別記事を書きましたのでご参照ください!
- それでも日本円での余剰資金があるなら、日本⇒駐在先現地口座へ送金して資産運用することを検討しよう
- 日本⇒海外の送金はWiseがやっぱり一番お得!次点はRevolutか
赴任中:海外駐在中の資産運用の注意点と落とし穴
アクティブに資産運用をしたいという人でなければ(つまり一般の人であれば)、海外駐在中の資産運用は日本での資産運用と同じく、投資先の分散、定期的な積み立て、相場が落ちた時の余剰資金での追加運用を忘れないようにした方が良いです。
定期的な積立投資の利点は、ドルコスト平均法とググれば多くの解説記事が出てきます。
相場で一番儲ける人は、適切なポートフォリオに投資した後に、投資したことを忘れた人か、運用中に死んでしまって運用が放置された人、という格言があります。定期的な積立投資にして、後は忘れておくのが一番リターンが良いかもしれません。
筆者はよくやってしまうのですが、実際、毎日相場を見ていても精神が消耗して時間が過ぎるだけで実りは少ないです。笑
加えて、定期積立投資以外にも、駐在中にはある程度の余剰資金が貯まることがあります。個人的には、こうした余剰資金は、相場が急落したり積立投資のポートフォリオに偏りが出たりした時に機動的に投資していくと良いのではと思っています。
例えば今の積立投資のポートフォリオに株式と債券しかなくてコモディティと不動産がない人なら、インフレに備えてコモディティ(金とか)とREITを買っておくとかが考えられます。こうした機動的な投資も組み合わせるとリターンが改善する可能性があります。
尚、定期積立投資をするときは、一般的には①手数料の安さ(ETF)、②(売却時の)税金優遇の有無、③投資先の分散、に気を付けると良いと思います!
海外駐在中の積立投資のススメについては別記事でも詳しく書いています!
重要な点ですが、駐在先での資産運用の一番面倒な点は税務処理です。会社側が現地の税理士を起用してくれる人は、会社に資産運用の状況もバレてしまうのでちょっと嫌ですよね。
対策として、(独身だと難しいですが、)結婚していて配偶者に資産運用に関する縛りがないなら、配偶者の口座で一緒にやるなども考えられます。また、会社が税務処理をするとしても、個人の資産運用に関する部分は個人の負担で税理士起用するなども考えられます。
筆者は駐在先の国での税理士起用は個人として行っており、その上で会社からの給与に関する税理士費用だけ会社から補填してもらっています。自分の資産運用のところは余り会社に報告したくないので、税理士からのレポートは自分だけに送付してもらっています。笑
- 海外駐在中の資産運用は日本での資産運用と同じく、投資先の分散、定期的な積み立て、相場が落ちた時の余剰資金での追加運用が重要
- 現地税制度もチェック必要(税理士起用も要検討)
- 可能であれば、税理士を個人起用(一部費用は勤務先から補填)という形にすると、資産運用の中身を会社に知られないでも済む
赴任先での証券口座開設では、帰国後も口座維持できるかは要確認
海外赴任後に現地で資産運用する場合、証券口座の開設は早めに取り掛かった方が良いですが、一方で、駐在から日本へ帰国後も口座を維持できる証券会社があるかどうか、はしっかり確認した方が良いです。
残念ながら、各国や日本の規制もあるため、帰国後も口座維持ができるかどうかは、駐在国次第であることが多いです。こうやれば必ず帰国後も口座維持できる証券口座を海外で開設できる、という必勝法はありません。
Google検索で「国名 帰国後 証券口座」などと調べると現地税理士の日本語記事や、現地駐在員のブログなどが出てくることが多いですので、そうした情報を調べた後に、可能性がありそう・使いたい証券会社やオンライン証券などに問い合わせをすると良いです。
帰国後も口座維持できるか問い合わせをするのはタダですし、向こうもサービスなので英語で簡潔に書けば意外とすぐに答えてくれますよ!(特にオンライン証券)
若し、帰国後も維持できる証券口座が開ける場合は、ぜひ開いておくと良いと思います。
日本がどうなるかは誰にもわかりません。駐在終了時に資産をすべて日本円にすべて戻してしまうのも、日本の金融機関にすべての資産を預けるのもリスクと言えます。オフショア口座として海外の証券口座(そして銀行口座)は一つくらい持っておくとリスクヘッジになると思います。
また、先進国であればどの国でも大抵は1,000万円くらいまでの証券口座の資産は破綻時も保護される法律があります。
日本に帰国後も現地証券口座が維持でき、投資が継続できるなら、その限度額に収まる程度で現地に資金を残せると、投資先の分散だけでなく、投資する証券会社(の国籍)の分散もできて良いと思います。
但し、帰国後も一定期間インターネットで口座にアクセスしないと口座凍結されてしまう金融機関・証券会社もあるので要注意です。この辺は口座開設の時に確認するしかないので、個別のケースで手間がかかりますが検討していくしかないです。
尚、海外口座が維持できれば、維持しておいた方が良いと思います。海外口座を継続して持つメリットとしては、日本に何か大変なことがあって国外に脱出したいといった時に、海外口座がもしもの時の保険になるというイメージです。世界の富裕層がスイスに銀行口座を持っているのと近いです。
また、日本人でも、アメリカで生まれたので成人してもアメリカのパスポートを保持している人がたまにいますが、そういった類の安心を買うものだと思っています。
筆者は以前の駐在の時に作った口座が(銀行口座だけ)維持できるので、少し資金を入れておいて維持しています。笑
帰国時に解約が必要でも、現地証券口座を開いて資産運用する意義はある
この点については以前記事を書きましたのでご参照ください。
帰任時に売却・口座解約が必要だったとしても、実際にはそこまで損することはありません。利益が出ていた時に一旦売却益に税金がかかる(いずれ払う必要があるが先払いする必要がある)のと、為替両替・送金に掛かる費用や、税理士費用等が必要にあるくらいです。
駐在中に資産運用するかは、この諸費用や手間と、積立投資を2-5年間というある程度長い駐在期間で中断するリスクや現地税制度の利点等を比べて判断することになります。
本サイトでは、駐在先の税制度が極端に資産運用に不利でなければ、駐在中の資産運用を考えても良いのではと考えています。読者の皆様も是非、検討していただければと思います!
こうした考えのもと、筆者は欧州駐在中に色々なオンライン証券の口座開設をしてきました。
その経験や追加の調査に基づき、例えば以下記事では、欧州各国で使えるオンライン証券・オンライン投資プラットフォームの比較記事を書いています。欧州在住の人は、ご参考にしていただけると嬉しいです!
海外赴任時の資産運用の勧誘には注意
海外駐在中は日本の非居住者になり、慣れ親しんだ日本の証券会社での資産運用はできなくなります。
こうした理由から、「駐在前に余剰資金を〇〇に投資しておきましょう!」といった勧誘が国内でよくあります。中には良いものもありますが、少し注意するべきものもあるのでここで記載しておきます。
具体的には、ヘッジファンド、投資用不動産、変額保険などです。以下解説していきます。
ヘッジファンドは手数料が高いし、運用先も不透明なことが多い
ネットで、「駐在×資産運用」とGoogle検索すると「駐在中は円の余剰資金があるからヘッジファンドに投資しよう」といった広告や広告記事が出てくることがあります。
しかし、基本的にはこうしたヘッジファンドは避けた方が良いと思います。
上記の通り、赴任前に日本円で余剰資金がある場合、SBI証券など非居住者で口座維持が可能な証券会社で投資をしておけば余剰資金の運用は可能です。
もし駐在期間中に日本円で受け取る給与が多くても、現地通貨にWiseで送金して現地証券会社で投資もできます。新興国駐在などの場合は現地通貨に変えるのがリスクだったり、現地証券会社のサービスが良くなかったりするとハードルは高くなりますが、最近はそうした新興国の居住者でもドルベースで送金して投資できるサービスもあります。
例えば、筆者が使っているサービスの中では、オンライン投資プラットフォームのeToroやアート投資のMasterworksなどが比較的幅広い国で利用可能です
そもそも、ヘッジファンドは全体ポートフォリオのごく一部にするのがセオリーです。一方で、こうした個人で買えるヘッジファンドはある程度の金額(数百万円)以上の投資が必要で、投資額が大きくなりすぎる傾向があります。
更に、個人向けヘッジファンドは手数料が高額な割に、パフォーマンスはあまりよくない、中途解約の手続きが大変、運用の内容がブラックボックスでわからない等、周りでは基本的に良い噂を聞きません。
余談ですが、ヘッジファンドのようなものに投資したい(上手い人に任せてみたい)のであれば、eToroのSocial Investmentという仕組みが面白いですし、手数料もかかりません。
これは、eToroユーザーの他の個人(身元のはっきりしている人)で過去のパフォーマンスを公開している人をフォローすると、その売買・ポートフォリオをまねてeToroが自動売買してくれるというものです。過去安定したリターンを出している人もいるので、個別株を見るのが面倒くさい・他の人がどうやっているか学んでみたいという人におすすめです。
投資のリスクとリターンは人によってまちまちですし、過去のパフォーマンスは必ずしも将来のパフォーマンスを約束しませんので、興味のある方はその点留意してやってみて下さい。
不動産投資も管理や納税の手間を考えて慎重に!
また、不動産投資についても「駐在前に物件を取得して大家になりましょう」といった勧誘をよく聞きます。
勿論良い物件を買えば問題ないですが、個人的には「駐在に行くから買う」という投資対象ではないかなと思っています。
投資用物件の購入には特に注意した方が良いです。
駐在中は非居住者になり、駐在先の所得税は会社持ちとなるところも多いので、不動産投資の節税効果も享受できないことが多いです。管理や国内の税務申告も自分ではできないので不動産管理会社・税理士に依頼する必要があり、毎年追加的な費用が掛かります。
結果、国内にいる時に不動産投資するよりリターンは悪くなります。
一方、駐在前に投資用ではなく自宅用不動産を買う、というのも聞いたことがありますが、これも慎重に検討した方が良いです。
上記の通り駐在中も日本での管理や(貸し出した際は)確定申告が面倒なのと、サラリーマンのメリットである住宅ローン減税は駐在中の非居住者は使えません。
勿論、特に都心などで住宅価格も上がっている昨今、インフレヘッジにはなりますし、自宅用不動産を買っておけば帰ってきた時に住みたい物件を確保できている安心感はあります。一方で、かかる費用も少なくはないので、慎重に検討すると良いと思います!
変額保険や積立保険をやるくらいなら自分で資産運用しよう!
また、駐在になりそうだと聞くと、保険営業マンが変額保険や積立保険を勧めてくることが多いです。プルデンシャルをはじめとした営業の強い会社は結構これをやってきます。
しかし、基本的にはこれも避けた方が良いと思います。
変額保険や積立保険は、要は保険料を基に株式投資などの資産運用をする商品です。しかし、こうした保険商品は保険会社の費用(営業マンのコストや本社コスト)もこちらが払っていることになり、その分投資リターンが悪くなります。
非居住者であれば節税メリットなどもないです。あまりメリットのある投資商品ではありません。
余剰資金があれば素直にSBI証券でETF投資して放っておくか、駐在中に発生する日本円の余剰資金もWiseで現地口座に送って駐在先で資産運用した方が良いのではないでしょうか?また、保険部分についても、掛け捨てで入った方が結果的に安いということも多いです。
駐在先が新興国で、現地での資産運用が難しい場合あれば、次善の策として変額保険などでの運用も検討しても良いかなと思います。
しかし、その場合でも、2-5年間の駐在期間後に解約したらどうなるか等をシミュレーションした方が良いです。筆者が見た例では、5年後くらいで解約すると手数料が取られ、ほとんど積立+運用の意味がない(貯金と同じ程度)状況になってしまう商品がありました。
保険と組み合わせての運用は、比較するとメリットが少ないことが多いです。
駐在中に海外で勧誘される資産運用にも要注意
余りないケースですが、海外駐在中に資産運用の勧誘を受けることもあります。現地の日本人などからの紹介などが多いようです。
筆者は一度しか勧誘されたことないですが、ファンドラップ口座や海外不動産などを紹介されることが多いようです。
ファンドラップ口座
ファンドラップ口座は、筆者がちょっと見た限りでは、手数料が高いなどリスクが高そうなので、よく注意したほうが良いと思います。
海外不動産
海外不動産は、せっかく現地にいるので、ということでやりたくなる気持ちはわかりますが、よっぽど現地に精通していないと物件の目利きもできないのと、いずれ日本に帰るから最終的に誰かに管理維持を任せないといけないのをきちんと覚悟する必要があると思います。
また、海外不動産は日本より設備関連や入居者関連でトラブル多いようです。結果、現地の不動産管理会社だけが儲かってるという事例を聞いたことがあります。
海外不動産投資をするなら年に1₋2回は行けるような近さの海外でないと難しいのではと思います。
未上場株式投資(エンジェル・ベンチャー投資)
また、海外の未上場株投資(エンジェル投資・ベンチャー投資など)もあるようです。ただ、「外国人である自分に何故その話が来ているのか」はよく考えた方が良いと思います。詐欺の比率が大きそうなのと、若しトラブルになってもいずれ日本に帰る場合は訴訟その他でも不利になります。
実物資産投資
更に、アート・家具・宝石を買うといった実物資産投資もちょこちょこ聞きます(投資というより「お値打ちモノですよ」というセールスが多いですが)。
これも、現地ならの買い物なので思い出になりますが、やはり外国人は騙される(相場よりも高いものをつかまされる)ことが多いのが実情だと思います。投資というより、思い出作り、本当に気に入ったものがあれば買う、というスタンスに徹したほうが良いのではと筆者は思います。
尚、筆者は実物資産投資ではアート投資と金投資だけをしています。自信が出てきたら実際の絵とかも買ってみたいですが…
駐在中の税金関連は信頼できる税理士に頼むのが一番
ここまででも少し触れましたが、駐在先で資産運用をする場合には、現地の信頼できる税理士に頼めるとよいと思います。何でも気軽に相談できるような人が良いと思います。
ここについては、筆者も試行錯誤しています。前に起用していた税理士がある税制度の運用について間違った認識をしていて数千ユーロの損をしたこともあるので…。
もっと現地の駐在員同士で資産運用とか税金対策とか話せるようになると良いなと思っています。笑
終わりに
以上、長くなりましたが駐在中の資産運用に関する注意点やよくある落とし穴についてまとめました!
筆者も今まで色々体験し、調べていますが、「この他にもこういう落とし穴がある」「この国ではこうするのが一番でした」といった体験があれば、是非情報交換したいです!
特に、各国個別の事例などは、今/過去の駐在員の方で色々やられて知見があるが、わざわざその為だけにブログ記事にするのが面倒ということであれば、是非本サイトでまとめさせてください!
そうして、各国個別の駐在先での資産運用に関する事例などがまとまっているサイトとして、これからの駐在員の方などにより役立つようになっていけば、筆者も嬉しいです!
それでは、have a nice day!
ディスカッション
コメント一覧
いつも記事を楽しく拝見しております。
無知で恐縮ですが、質問させて下さい。
現地証券口座を開いて資産運用をする場合に、現地(欧州)証券会社で株式などを売買し売却益にかかる税金を源泉徴収してもらったとすると、特段、会社への報告等は不要との理解で合っておりますでしょうか?
お読みいただきありがとうございます!
ご質問の点、源泉徴収されても、他の税務関連で確定申告のような手続きが現地で必要になることがあります。
そうなった場合は、源泉徴収された分も添付する必要がある可能性があります。
その確定申告プロセスを会社がやるということだと、会社には報告しなくてもわかってしまう、と言うことはあり得るかなと思います。
国ごとで事情がことなるのと、会社ごとでプロセスが異なるので一概には言えませんが、所得税を含む税務申告をどのようなプロセスで行うかをご確認いただくのが良いかと思います。(通常、所得税はキャピタルゲイン課税と同じプロセスで行われることが多いと思います)
私は税理士でもないのでクリアな回答が出来ずすみませんが、ご参考になれば幸いです!
弊社(ドイツです)の場合、株式投資等が禁止されているわけではないです。
しかし、出向者の確定申告を人事部が会社の会計士を使って行っており(税還付金は会社が受領…)、他の出向者が投資等を行っていない中、人事の方の手続きが煩雑になったりしないかを心配して質問させていただきました。
ご回答ありがとうございました。
それはちょっと面倒ですね。
ただ、投資自体が禁止されているのでなければ、例えばその投資関連の税務申告(大抵の国では分離課税なので所得税の部分とは分けられます)に掛かった会計士・税理士の費用を自己負担にする、若しくはその部分だけ自分で申告書を作成する、というような交渉をすれば可能かと思います。どのくらい費用が掛かるかは依頼先に依りますが、個人的には思ったより費用かからないことが多いなと思っています。
投資による資産形成は当然の権利だと思うので、是非検討してみて下さい!