海外駐在後の転職は有利?現役中堅駐在員がメリット、デメリットを解説
海外駐在後に転職をする人は、実は結構います。
海外駐在経験者は色々な意味で転職に有利なことがあるのが、その理由の一つです。
本記事では、駐在後の転職が有利なのか、駐在ののメリットとデメリットを現役の海外駐在員が解説します!
筆者自身の経験や、周りの駐在後の転職された人の実例などを踏まえて説明しますので、これから駐在を控えてこれからのキャリアに悩んでいる人や、駐在後のキャリアで悩んでいる人の一助になれば幸いです!
また、駐在後の転職以外も含めたキャリアのパターンについては別記事で書きましたので、駐在キャリアを考えるご参考としてご覧ください。
結論:海外駐在後の転職は総じて有利
総じて言うと海外駐在経験は転職に有利だと考えられます。
実際、駐在後に転職する人は私の周りでも多いです。統計データを見たことは無いですが、恐らく、駐在しなかった人と比べて転職事例は多いと思います。
駐在の転職に際してのメリット・デメリットを大きく分けると、以下の通りです。
メリット
- スキル・実績を積み上げられる
- 多様なネットワークが作れる
- 強い志望動機が構築できる
デメリット
- 年齢が高くなる
- (海外駐在中は)転職活動が少し難しい
というものがあります。
しかし、総じて言うとメリットがデメリットを大きく上回ると、筆者や周りの駐在員は話しています。
私見ですが、「今いる会社からキャリアアップしていきたいが駐在可能性があるので迷っている」という人は、まず一度は駐在を目指すのが良いのではと思います。
海外駐在の転職活動におけるメリット
スキルアップ・実績作りが可能
私の事例ですが、駐在中は日本で働いていた時と比較して2-3倍の速度で成長できたと思います。
駐在員は、ビジネスの現場・最前線で比較的自分の裁量が大きい仕事に関わることが多いです。
確認するべきところは上司や本社に確認する必要がありますが、現場で1つ1つの判断をしていくのは現場に出ている自分、という状態になるからです。
こうして苦労してビジネスを遂行した経験・スキルは、転職の面接の時にとてもウケます。
恐らく日本での勤務でも同じような仕事・プロジェクトを経験しスキルアップすることは可能だと思うのですが、やはり海外駐在の文脈で話すと、プロジェクトの難易度とそれに対応した貴方の能力が非常に高く見えやすいです。
基本的スキル(語学、営業力、会計等)や異文化の中でビジネスをするタフネスが身につくことに加え、アピールしやすいという意味で転職にプラスなのです。
他業種とのネットワークが作れる
駐在地にも依りますが、現地の日本人コミュニティに所属すると、よりシニアな他業種の人とプライベートも含めて付き合いができたりします。
例えば、筆者が20代中盤で新興国に駐在していた時などは、日本人会にも頻繁に出入りして、最若手の1人として可愛がってもらい、毎週のように他業種のシニアの人や30-40代の中堅の人たちとの飲み会が入っていました。
そういう飲み会では仕事の利害関係がない人たちが多かったので、すごく気軽にそういった人たちのキャリア、今やっていること、考えていること、そもそもどういう会社・事業なのか、どういう業界なのか、を詳細まで教えてくれることが多かったです。
これは筆者が様々な業種の知識を身に着けるのに非常に役立ちました。
転職活動では、世の中のトレンド、色々な会社の実態を知っていることは、とても役立ちます。
20代-30代の人が、同世代やそれより上のシニアな人たちと利害関係なく交流できるコミュニティは意外と多くありません。駐在はその貴重な機会を提供してくれることがあります。
海外駐在は、他業種と利害関係を超えたネットワークを作り、結果的に転職活動にも活きるのです。
強い志望動機・やりたいことの軸を持てる
海外で数年間という期間働くことは、人生で大事な軸を見直すきっかけにもなります。海外の人の働き方や優先順位を身近に見て、自分の優先したい・やりたいことを改めて考え直す契機になります。
転職活動は「なんとなく転職した方がよさそう」でやると上手くいかないことが多いと思います。
人生で何を優先したいのか、自分の能力でどこまでやりたい・できそうなのかを考え直せば、転職活動でも言葉や選択に重みが出ます。
海外駐在の転職におけるデメリット
一方で、海外駐在をすることで、その後の転職でいくつかデメリットはあります。
一番大きいのは年齢で、その次が転職活動のやりづらさです。
転職に不利な年齢・タイミングになってしまうことも
「もう少しで海外赴任の内示が出そうだから、海外駐在を一度してから転職を検討しよう」
私もそう思って待っていた時もありました。しかし、これは避けた方が良いです。
海外赴任の人事は、内々で上司や人事などから伝えられていたとしても、だんだんと遅れていくことが多いです。
前任者の帰任予定がずれ込むとか(良い駐在地だ前任者が帰りたくないのでたまにある)、部の予算や人員計画(隣の部署で退職者が出て手伝わないといけないとか)、ビザや政情の変化など様々な理由で、平気で数か月単位で遅れます。
直近で大きく駐在予定が狂った人が多かったのがコロナ禍ですね。半年から1年ずれた人はざらでした。
そして、日系企業は、不可抗力もありますがこういう「駐在させるさせる詐欺」を結構やってきます。
海外駐在後に転職も視野に入れていたのに、気づくとそうした「駐在させるさせる詐欺」にハマって駐在開始が2-3年遅れ、更に駐在期間も色々あって長くなった結果、帰任後には転職で不利な年齢(30代中盤など)になっていることがあるのです。
赴任時期も帰任時期もわからない(会社都合で決まる)駐在は、その分転職のタイミングを自分で決めづらくなるというデメリットがあるんです。
勿論、海外駐在”中”に転職活動をして、決まったので任期途中で帰るという例もあります。しかし、その場合は次の別のデメリットが大きくなります。
海外からの転職活動/情報収集は面倒なことが多い
転職活動で大事なのは、やはり情報収集と面接です。
最近は段々とリモートでの採用面接は一般的になりつつあります。
しかし、やはりまだ最終的にはFace to Faceで面談するのが一般的です。そのため、最終面接くらいは日本に一時帰国のタイミングと合わせないといけません。
先方が一時帰国のタイミングを待ってくれないといけないですし、そもそも面接も時差があるとセットしづらいです。
会社によっては大規模に中途採用している一方で、1年のうち決まった時期にしか面接・採用プロセスがなく、その時期に一時帰国を合わせられないと次の年まで待つこともあります。
キャリアアドバイザーとの面談も、やはりリモートだとなかなか温度感が伝わらないです。
筆者もやったことがありますが、自分の疑問点などをかなりしっかり共有するつもりでいないと伝わらないんですよね。
駐在後に転職しようと思っても、駐在中はなかなか情報収集も面接の練習も勧められない。
また、本帰国になった場合の年齢のデメリットも意識しながら急いでやらないといけない、という点はやはり駐在の転職に関してのデメリットだと思います。
終わりに
以上、2度の駐在経験のある現役中堅駐在員の私が、周りの転職事例も踏まえてまとめた「駐在後の転職は有利か?」についての回答と、駐在後の転職のメリット・デメリットでした。
駐在は良くも悪くも人生とキャリアの転換点になります。転職も含めて前向きに一度検討してみるのが良いのではないでしょうか。
実際に海外駐在後の転職を成功させた私の知人の例については別記事にまとめましたので、こちらもご覧ください(詳細は少しぼかしています)。
それでは、Have a nice day!
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