英語ミーティングでの通訳を成功させるための3つのコツ | 純ジャパから海外駐在員になった私の経験から
海外駐在員をしていると、英語や現地語が堪能でなくても、仕事のミーティングで通訳をやらなくてはいけないことがあると思います。
筆者も2度目の駐在中ですが、これまでの駐在経験の中で、数えきれないほどの素人通訳をしてきました。(流石に管理職になりほぼなくなりましたが、まだたまにあります…)
もちろん、筆者はただの純ドメの駐在員なので、通訳の資格なんてありません。
ある程度の英語は喋れますが、通訳だなんて名乗れるわけもないレベルです。TOEICは900点台ありますが、TOEFLは100点台取れないレベルだと思います。
しかし、例えば日本からの出張者が英語の苦手な人な場合、日本から出張できた協力会社の人が英語を喋れなかったりする場合など、どうしても駐在員として英語通訳をしなくてはいけない時もあります。
(たまに、現地に駐在している他社の駐在員が英語が苦手で手助けが必要な場合などもあります)
筆者は、そうした時に何度も素人通訳をしてきました。そして、その失敗から、純ジャパ駐在員がやる素人通訳でも失敗しないための3つのコツを編み出しました。
本記事では、筆者のように英語が帰国子女レベルで完ぺきに話せるわけではない人が、仕事で通訳をする時に気を付けた方がよいと思う3つのコツについてまとめて解説します!
筆者が駐在中に多くの通訳仕事をしてきた中で見出したポイントなので、同じような境遇の人に役立てば幸いです!
結論:3つのコツ
筆者が編み出した3つのコツは、以下の通りです。本記事で順に解説していきます。
1. ミーティング資料は事前にもらう
2. 自作単語帳と自作QAリストを作る
3. ミーティング中は、遠慮なく聞き返す(英語も日本語も)
コツ1. ミーティング資料は事前にもらう
素人通訳は準備が9割
ぶっつけ本番の通訳はほぼ必ず失敗します!
これは素人が通訳するんだから当然です。絶対に準備しましょう。
そして、準備の根幹をなすのは、ミーティングの資料を事前に読み込み、ミーティングの流れを想定しておくことです。どんなに遅くても本番の前々日までにミーティング資料をもらっておきましょう。
他社の資料をミーティング前に要求するのは気が引ける、と思うかもしれませんが、ミーティングが通訳失敗で上手くいかないよりマシです!
資料はギリギリまでできないんだよね、と言われても、ドラフトや前回同じようなミーティングで使った資料をもらえるか頼んだ方が良いです。
とにかく、ミーティングを上手くいかせたいので!という口実でお願いするべきです。
事前の共有を渋られる場合
それでも事前の資料の共有を渋られる場合は、以下のような口実を使います。
英語の苦手な日本人の方には、最後の手段ですが「資料作り(英訳)お手伝いしますよ」と言ってしまっても良いです。奥の手ですが、筆者もたまに使ってしまいます。こうすれば事前に内容はほぼ把握できます。
こちらとしては余計な仕事が増えてしまいますが、実は資料の英訳は高性能翻訳ツールのDeepLやGrammarlyを上手く使えばそんなに手間ではありません。この辺は機械を使って効率化しましょう。
尚、英語のパワーポイントの文法チェックでGrammarlyを活用する方法については以前別記事を書きましたので参照してください。
DeepLは有料版にするとパワーポイントなどのファイルを丸ごと翻訳してくれて、更にそれを編集できるようになります。無料版より更にスピードは上がります(無料版は翻訳できますが編集できません)。
一方、外国人の方には、ストレートに「英語の苦手な人がいるので私が通訳する予定。申し訳ないが、できる範囲で資料を事前に送ってほしい」と言うことが筆者は多いです。
素直に事情を話してお願いすると、結構対応してくれます。
日本人が英語苦手なのは世界常識です。ここはもう開き直って、それでもベストを尽くしている、というスタンスで臨みましょう。
機密情報が入っている部分なんかは削除されていたりしますが、快く送ってくれることが多いです。
もちろん、日本人側、外国人側どちらかとの関係次第では、やはり事前に資料を貰うのが難しい、と言うこともあると思います。しかしそれでも、どちらか側からは少なくとももらうようにしてください。それだけで当日に混乱する確率が半分になります。
どうしても事前に資料がもらえない場合
資料がどちらからももらえない時は、アジェンダや、何について話すか、以前同じような会議で使った資料などももらえないか等を聞くと良いです。
そのうえで、事前に以下をネット等で調べます。
- 会社HPの英語版(会社/部署紹介の場合)
- 製品について英語で書かれた記事や競合HPの英語版(製品紹介の場合)
- 市場レポート等の英語版
- その他アジェンダに関連する英語の資料
この辺を読んでおくと、たとえ資料がなくてもよくわからない単語を事前に調べておくなどの対策ができます。
2.自作単語帳と自作QAリストを作る
エクセルで自作単語帳を作成
資料をもらったら(若しくはもらえなくても上記の情報を調べたら)、筆者はいつもエクセルで簡単な単語帳を作っています。
2列使って、左にそのミーティングで頻出しそうな英単語、右にその訳を書いておくだけでオッケーです。
これを作っておかないと、素人通訳をしているとたまに単語をミーティング中に度忘れします。そうすると焦ってしまって通訳もなかなか上手くいかなくなります。
この単語帳は、ミーティング中にぱっと調べられるように印刷するなどしておくと良いです。
Zoomなどの面談であれば画面に開いておけば良いですし、実際に会っての面談ならB5サイズなどに小さく印刷してノートに挟んでおくと良いです。
自作単語帳を印刷するときは、アルファベット順、あいうえお順に並べたものを2つ作って両方印刷するとぱっと見つけやすいですよ!
エクセルで自作QAも作成
加えて、自作のQAリストも作っておけばより安心です。
外国人は(日本人と違って、国に依りますが)ミーティング中に質問することがかなり多いので、QAの対策をしておかないと、プレゼンの通訳は上手く言ったけどQAの通訳がボロボロだった、ということになりかねません。筆者も昔何度もこれで失敗しました。
若しミーティング出席者の協力が得られるなら、事前に資料をもらったうえで更に30分程度(少なくともどちらかの)ミーティング出席者の時間をもらい、頻出の質問について聞いておくのが良いです。
そのQAに関する英単語を調べて、更にいくつか英語の構文を書いておいたものを、単語帳のエクセルの下の方に張り付けておけば、いざ質問が来ても安心です。
とにかく、素人の通訳はテンパることが大敵なので、事前に準備をして、使える脳のリソースを増やしておきましょう。
「あ、これは準備しているから(頭をそんなに使わず)このまま読めばよいや」という部分を増やしていくのが大事です。
3.ミーティング中は、遠慮なく聞き返す(英語も日本語も)
ここまでは、事前準備に関するコツでした。
最後は当日のミーティング中の心得的なものです。
ミーティングの通訳のような仕事をやっていると、自分のところでミーティングの流れを止めてはいけない、というプレッシャーがかかります。
けれど、これに負けて「聞き取れなかったところ」「よくわからなかったところ」を曖昧にして進めてしまうと、ミーティング自体が変な方向に進んでしまいかねません。
筆者も初めかなり勇気入りましたが、わからない単語があったり、理解していない技術的なワードがあった時は、日本人側にも外国人側にも必要なら質問して聞き返すようにしています。
しょせんは素人の通訳なのです、お金を取ってやっている通訳の専門家のように完璧にしなくてよいんです。
駐在員の仕事は現地でのビジネスを成功させることで、正確な通訳をすることではありません。
なるべくスムーズに通訳ができるよう、できる限りの準備・努力をすることはもちろん必要ですが、必要以上に通訳のクオリティにこだわらないようにしましょう。
多少通訳が長ったらしくなったり、いい間違いを訂正したり、聞き返したりすることがあっても良いのです!
最終的にビジネスが上手くいけば、問題ありません!
わからない点があるなら、平然と聞き返しましょう。
逆に、プロ通訳だとあまりこういうことはしないので、ここに駐在員が通訳をする意味があるかもしれません。
駐在員の役目は現地のビジネスを成功させること、その気持ちをしっかり持って通訳の仕事もやっていきましょう!
以上、純ジャパ海外駐在員である筆者が2度の海外駐在経験から編み出した英語ミーティング通訳の際の3つのコツでした!
お役に立てば幸いです!
それでは、Have a nice day!
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