欧州在住者必見:元本保証の預金で高い金利が付く欧州金融サービスまとめ【2023年9月時点】
2023年4月現在、欧州では、インフレ対策で金利が上がってきています。
そんな中、欧州では元本保証のいつでも引き出せる預金で、2-3%程度の金利が付く金融サービスがいくつか出てきています。
ご存じの通り、インフレが起こっている状況では、金利のつかない状態で余剰資金を置いておくと、実質的な価値は目減りしてしまいます(モノの値段が上がるので、同じ金額で買えるものが減ってきます)。
できるだけ金利の高い金融サービスに余剰資金を移しておくことは、貴方の資産を守るために必須です。
そこで、本記事では、駐在中などで余剰資金がある欧州在住者向けに、元本保証の預金で、なるべく高い金利が付く金融サービスを調べてまとめました。
読者の方の資産防衛に役立てれば幸いです!
(他にもこういうサービスがあるよ、という情報があれば是非教えてください!皆で駐在中の資産運用の情報を集めましょう!)
尚、欧州各国地場の有名銀行でも、2%以上の金利で「定期預金」が可能なところはいくつかあります。
しかし、特に駐在員の人は、いつ帰るかわかりません。最低でも1年預けなくてはいけない定期預金は、若干リスクがあります(途中で帰国→解約となるとペナルティになる可能性あり)。
今回はそうしたリスクのない、直ぐに自由に引き出せて金利の高い金融サービスだけをまとめました!
1. フランス系銀行の提供するLivretA(リブレA)
LivretA(リヴレA/ Booklet A)は、フランスの銀行が提供する金融サービス(預金口座)です。
由緒正しい金融サービスで、そもそも1818年に国王ルイ18世がナポレオン戦争で発生した債務の返済のために設立したものです。この商品は、フランス国民や居住者の貯蓄口座として機能していて、フランス居住者は毎年のリターンに課税されないのが特徴です。
一見するとフランス居住者しか作れないのでは?と思ってしまいますが、以下の通り、公式HPで「すべての人が利用可能」と明言されています。
Who can open an A booklet?
(どのような人がLivretAを持つことができるのか?)
Booklet A may be opened by all natural persons and by certain legal persons.
- Natural person
- Legal person
Natural person
Everyone has the right to hold an A booklet, there is no age requirement, nationality, or tax residence in France.
(全ての人がLivretAを持つことができる。年齢制限、国籍、フランスでの税務居住地の条件はない)
フランス政府サイト https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F2365?lang=en
このLivretA口座ですが、2023年2月から8月までは年率3%の金利を付与することがアナウンスされています。
この影響もあり、直近ではフランスで大流行りしているようです。
詳細の条件は以下となっています。
項目 | 内容 |
名称 | LivretA |
元本保証 | あり (破綻時も預金保護あり) |
金利 | 年率3.0% (2023年2月―8月) 毎月計算・付与 |
金利付与上限 | 22,950ユーロ (それ以上は金利付与無し) |
利用可能な人 | 全人類 (フランス系の銀行で口座開設が必要) |
引出し | いつでも可 (通常の銀行口座と同様) |
口座開設・解約手数料 | 無料 (支店に行く必要あり) |
引出し手数料 | 無料 (ATM利用料等がかかることあり) |
預金保護 | 銀行破綻時でも10万ユーロ迄保護(通常の預金保護) |
その他備考 | フランス居住者は利息免税 |
欧州駐在員評価 | フランス在住者には◎ 他国在住者は△ |
LivretAはフランス在住者なら利息免税なので、フランス在住なら使うべき普通預金サービスと言えるでしょう。
引き出しが自由にもかかわらず、高金利をエンジョイできます。
一方で、フランス在住者以外には少し使いづらいのがデメリットです。
利用するためには、フランス系の銀行に口座開設をしないといけません。また、引き出す時も、フランス系銀行の支店やATMが近くにない場合は、普段の銀行口座に送金してから引き出す必要があります。
通常の地場銀行だと、オンラインで全て口座開設が完結することは少なく、支店に行く必要があります。
近くに支店があればまだ良いですが、なかなか(結構?)めんどくさい手続きが必要です。
近くに支店があるといった人は利用トライしてみると良いと思います。
2. オンライン証券Trade Republicの証券口座
ドイツ発で欧州17か国に展開するオンライン証券Trade Republicでは、証券口座に入っている資金(株式等に投資ししていない資金)に、50,000ユーロまでは2%の金利を付けるサービスを始めています。
※追記:2023年10月から4%の金利に倍増することがアナウンスされました!!
証券口座からの引き出しは1-2日間くらいはかかるのがデメリットですが、口座からの引き出しは手数料無料なので、急に必要になりそうなお金以外(余剰資金)を預けておくには問題なく、定期預金でもないのに4.0%2.0%の金利は非常に魅力的です。
【欧州在住者に朗報】
— KK@欧州駐在 (@kkrchuzai) September 20, 2023
オンライン証券Trade Republicが、口座のユーロ資金につく金利をなんと年利4%に上げることを発表!(これまでは2%)
もちろん定期預金ではなくいつでも引き出し可能で毎月金利付与。(私は必要な時1‐2日で引き出せた)
Trade Republicに余剰資金入れとこ。
口座開設の記事は↓ pic.twitter.com/43sM9EEUtn
Twittterでもまとめましたが、条件は以下のようになっています。
項目 | 内容 |
名称 | Trade Republic |
元本保証 | あり (破綻時も預金保護あり) |
金利 | 年率4.0% |
金利付与上限 | 50,000ユーロ (それ以上は金利付与無し) |
利用可能な人 | Trade Republic展開国居住者 (欧州17カ国) |
引出し | いつでも可 |
口座開設・解約手数料 | 無料 (オンラインで可能) |
引出し手数料 | 無料 |
預金保護 | 証券会社破綻時でも10万ユーロ迄保護(通常の預金保護) |
その他備考 | 株式投資はしなくても良い |
欧州駐在員評価 | ◎ |
Trade Republic展開国の在住者(フランス以外)は、このTrade Republicが第一候補になるかと思います。
オンライン証券としてのサービス内容や口座開設方法については以前に別記事で紹介済なのでご参考にしてください。
3. オランダのチャレンジャーバンク(オンライン銀行)Bunq
オランダ発のオンライン銀行Bunqも、高金利の預金サービスを提供しています。
但し、現状、金利は年率1.56%と、上記の他のサービスに劣ります。
一方で、本拠地のオランダだけは2.01%の金利を提供しているので、オランダの人にはお勧めできます。
条件詳細は以下です。
項目 | 内容 |
名称 | Bunq |
元本保証 | あり (破綻時も預金保護あり) |
金利 | 年率1.56-2.01% (期限未定) 毎月計算・付与 |
金利付与上限 | 記載なし |
利用可能な人 | Bunq展開国居住者 (欧州30カ国) |
引出し | いつでも可 |
口座開設・解約手数料 | 無料 (オンラインで可能) |
引出し手数料 | 無料 |
預金保護 | 証券会社破綻時でも10万ユーロ迄保護(通常の預金保護) |
その他備考 | オランダのみ金利が高い |
欧州駐在員評価 | △ |
口座開設は10分ほどで終了します。
オランダ在住の人や、上記のLivretAやTrade Republicを使っているが、未だ余剰資金が余っている、という人は検討すると良いと思います。
終わりに
全てのサービスを横並びで比較すると以下のようになります。
項目/名称 | LivretA | Trade Republic | Bunq |
元本保証 | あり | あり | あり |
金利 | 年率3.0% | 年率4.0% | 年率1.56-2.01% |
金利付与上限 | 22,950ユーロ | 50,000ユーロ | n.a. |
利用可能な人 | 全人類 | Trade Republic展開国居住者(欧州17カ国) | Bunq展開国居住者(欧州30カ国) |
引出し | いつでも可 | いつでも可 | いつでも可 |
口座開設・解約手数料 | 無料 (支店訪問要) | 無料 (オンラインで可能) | 無料 (オンラインで可能) |
引出し手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
預金保護 | 10万ユーロ迄 | 10万ユーロ迄 | 10万ユーロ迄 |
その他備考 | 仏居住者は免税 | 株式投資はしなくても良い | オランダのみ金利が高い |
欧州駐在員評価 | 仏◎、その他△ | ◎ | △ |
どのサービスも一長一短あります。
ご自身の居住地や余剰資金に合わせて、どれか一つを使うなり、組み合わせて使うなりして、高金利で資産防衛していくと良いと思います。
金利などは逐次変わっていくため、本記事は2023年9月公開時点のものである点にご注意ください。
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本記事が少しでもお役に立てば幸いです!
それでは、Have a nice day!
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