eToro、Trade Republic、Degiroどれが海外(欧州)での資産運用に最適?欧州のオンライン投資プラットフォームを徹底比較!

2022年9月24日資産運用

欧州在住者の人が現地で資産運用しようと思ったときに悩むのが、どの証券会社/投資プラットフォームを使えばよいのか、という点です。

地場の証券会社は一般的に手数料が高く、また口座開設プロセスも面倒であることが多いです。やり取りその他も(英語ができる人は多いとはいえ)欧州現地言語が主なことが多く、ハードルが高いです。

そこで、欧州のオンライン証券/オンライン投資プラットフォームを検討される人も多いと思います。

現在、欧州地域には、eToro、Trade Republic、Degiroなどの複数の国をまたいで運営されているオンラインでの口座開設・資産運用が可能な投資プラットフォームが複数あります。

この記事では、欧州地域で利用できるこの3つのサービスを徹底比較し、あらゆる角度から徹底比較します

結論だけ書くと、「どのサービスが良いかは投資スタイル・投資したいもの(と居住国)による」という結論なのですが、比較を通じて、欧州地域の在住者、駐在員の方の現地での資産運用検討に役立てば幸いです!

まとめ:自分が求めるサービスによって使い分けよう

いずれのサービスも、規模、資金調達状況、監督官庁、安全性を見る限り、一定のレベルはクリアしており、投資プラットフォーム・オンライン証券として利用するのは問題なさそうです。

一方で、筆者の意見ですが、各サービスの比較に基づくと、投資対象、居住国、投資スタイルなどによって、ざっくりと以下のような使い分け・相性があると思います。(私見です)

投資対象での選択
  • 株式投資(積立)メインで、Trade Republicの展開地域在住:Trade Republic
  • 株式投資(積立)メインで、Trade Republicは展開していない:Degiro 若しくは eToro
  • 株式投資以外にコモディティ/FXなどのトレーディングもしたい:eToro
投資スタイルでの選択
  • とにかく安い手数料で投資したい:Trade Republic
  • とにかく幅広い投資商品を見てみて選びたい:Degiro
  • とにかく気軽に小額から始めたい or レバレッジ取引などもしてみたい:eToro

自分のやりたい資産運用の投資対象・スタイルに応じたサービスを選択するのが良いと思います。

基本情報:規模ではeToroが一番大きい

3社の基本情報を以下にまとめています。

直近の評価額/時価総額や規模で言うと大きいのはeToroです。設立からも15年たっており、最古参の1社と言えます。株主に日系金融機関のSBIが入っていますね。

筆者の評価ですが、Degiroが少し時価総額が小さく上場企業なので調達額も不明で気になりますが、基本的にはどこも問題ないのではと思っています。

会社名eToroTrade Republic Bankflatex Degiro
設立2007年2015年2013年
本社イスラエル/ テルアビブドイツ/ ベルリンオランダ/ アムステルダム
創業者David Ring他2名Christian Hecker他2名Gijs Nagel,他3名
事業内容オンライン投資サービスオンライン株式投資サービスオンライン投資サービス
資金調達額322百万ドル(約400億円)13億ドル(約1,600億円)n.a.
直近評価額88億ドル(1兆円以上)50億ドル(6,500億円)10億ユーロ(1,400億円)**
主要株主創業者、著名VC、SBI等創業者、著名VC*等flatex (ドイツの上場企業)
提携先なし  HSBC、BlackRock
LS Exchange、Solarisbank等
flatex (親会社)
欧州駐在員評価
各社HPやプレスリリースより

eToroの詳細説明、口座開設については以下の記事で解説しています!

サービス内容:地域のカバーはeToroが断然使いやすい

次に、3社のサービス内容をまとめています。

どのサービスも、オンラインメインのサービスなので、Webサイト及び携帯アプリで利用できます。

利用可能国やユーザー数は、eToroが断然多いですね。欧州に限らず全世界の多くの国で使えます(但し、日本では現状使えません)。Degiroは欧州では多くの国で使えますが、手数料が無料のものがないのと、アプリなどのデザイン・操作性がいまいちだなと思います。

総合すると、筆者の評価ではサービス内容ではeToro、Trade Republicの2社が優れているなと思います。

会社名eToroTrade Republic Bankflatex Degiro
サービス提供サイト、携帯アプリサイト、携帯アプリサイト、携帯アプリ
ユーザー数2,000万人以上100万人以上200万人以上
利用可能国140か国以上欧州6か国欧州18か国
対応言語英語含む19か国語英語含む7か国語英語含む18か国語
取り扱い資産高n.a.60億ユーロ(約8,000億円)n.a.
取引量年間1.7兆円以上n.a.n.a.
取引手数料株式・ETF取引は無料無料or1ユーロ/取引商品次第(無料なし)
レバレッジありなしなし
アプリ・WebのUI
欧州駐在員評価
各社HPやプレスリリースより

投資可能銘柄:各社特徴あり

次に、投資可能な銘柄です。

各社とも特徴はありつつ、抑えるべき基本的な株式・ETFは全てカバーされてます。
そのうえで、日本株への投資もできるという点で、Trade RepublicとDegiroが進んでいるなと思います。

一方で、コモディティやFXなどを取引したい場合は、eToroが一番優れています。

会社名eToroTrade Republic Bankflatex Degiro
投資可能アセット株式
ETF
コモディティ
FX
暗号通貨など
合計3,000種類以上
株式
ETF
株式/ETF積立投資
デリバティブ
暗号通貨
株式
債券
オプション等
個別株式(米国)Apple、Tesla、AmazonなどApple、Tesla、AmazonなどApple、Tesla、Amazonなど
個別株式(日本)なし三菱商事、トヨタ、メルカリ 他400銘柄以上n.a.
個別株式(その他)一部ありFarfetch、SAP、Wiseなど幅広い欧州株式など
株式の最小投資単位20ドル10ユーロ銘柄による
株式インデックス一部ありS&P500、日経平均など多数S&P500、日経平均など多数
コモディティ幅広く取引可能一部あり一部あり
FX幅広く取引可能なしなし
暗号通貨BTC、ETHなどBTC、ETHなどなし
欧州駐在員評価
各社HPやプレスリリースより

手数料:Trade Republicの手数料の安さは秀逸

次に手数料の比較です。
eToroやTrade Republicは一定の条件がありますが株式・ETFの取引が無料で非常に安いです。
ただし、eToroは出金の際に25ドルかかってしまうので、そこが減点ポイントだと思います。Degiroはマイナス金利がかかることがある(現金でおいておくと一定の金額を費用としてとられる)ので注意してください。

下の表でまとめましたが、トータルで考えると、Trade Republicの手数料の安さが凄いなと思います。
積立投資での利用なら手数料無料ですし、出入金や口座維持にかかる手数料はありません。
スプレッド(売りと買いの差)に不透明なところもなく、非常に透明性が高いです。

たいていの地場の証券会社より断然安いので、Trade Republicが展開している欧州の国に在住している方は、一度口座を開くことを検討してみると良いと思います!

会社名eToroTrade Republic Bankflatex Degiro
取引手数料(通常)株式・ETFの取引は無料
(レバレッジCFD取引は除く)
全銘柄1ユーロ/取引株式・ETFは銘柄により
0~3.9ユーロ⁺0.02%
若しくは0~2ユーロ+0.03%
取引手数料(積立)n.a.無料n.a.
取引手数料
(CFD/オプション)
銘柄により0.1-2%程度1~10ユーロ/取引1~2.5ユーロ/取引
口座維持手数料無料無料無料/マイナス金利あり
入出金手数料25ユーロ/出金無料無料
最小入金単位10ドル0ドル~(銘柄次第)銘柄次第
欧州駐在員評価
各社HPやプレスリリースより
CAUTION

Degiroは、現金で証券口座に資金を置いておくとマイナス金利(金利の支払い費用)が掛かってしまうので、気を付けてください!
余剰資金を口座に入れておかないようにするか、別のプラットフォームを使うのが良いです。

Trade Republicの詳細説明、口座開設については以下の記事で解説しています!

安全性/セキュリティ:投資額1,000万円程度までならどこも万全!

最後に、安全性・セキュリティの比較です。

専門的な点になりますが、少なからぬお金を預けるので、安全性に関してはしっかり確認する必要があります

結論から言うと、今回取り上げた3社はどの会社も会社の資産と顧客の資産を別の口座で管理する分別管理が基本なので、もちろん会社自体の破綻・不調は顧客の資産に影響を与えないようになっています。その点は安心です。
更に、日本と同じように、それに加えて預金者保護の法律・制度があり、預金は各社約10万ユーロ(現在のレートで約1,400万円)までは公的に保護されています。

また、オンラインメインの証券なので、ITセキュリティについてもかなり力を入れています。

筆者の意見では、各社どのプラットフォームも、安全性という点では問題がないと言えると思います。

一方、eToroはその中でも更に追加的な保険に入っていることを公言しており、各投資家ごとで100万ポンドまでの保険がついています。かなり安心だなと思います。

会社名eToroTrade Republic Bankflatex Degiro
監督官庁イギリス金融行動監視機構
キプロス証券取引委員会
オーストラリア証券投資委員会
ドイツ中央銀行
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)
オランダ中央銀行及び金融当局
イギリス金融行動監視機構
顧客資産の分別あり(破綻時でも影響なし)あり(破綻時でも影響なし)あり(破綻時でも影響なし)
破綻時保護8.5万ポンド(イギリス)
2万ユーロ(証券持ち分)
預金は10万ユーロまで保護預金は10万ユーロまで保護
追加的な保険100万ポンド/ユーロ/豪ドルなしなし
他セキュリティ高度なITセキュリティ対策高度なITセキュリティ対策明示なし
欧州駐在員評価
各社HPやプレスリリースより

まとめ

以上、欧州で利用できるオンライン証券/オンライン投資プラットフォームの詳細、比較でした。

はじめに述べたように、それぞれのオンライン証券・投資プラットフォームでそれぞれの良さ、特徴があるので、居住国や、投資したいものなどに応じて、どのオンライン証券・投資プラットフォームを使っていくか検討していくのが良いと思います!

勿論、複数のサービスが使える国に居住している人は、複数のサービスを併用したり、地場証券と組み合わせたりするのも良いと思います。資産運用は手間がかかりすぎるようになると大変ですが、こうしたサービスの特徴を見極め、適切なサービスで自分に合った資産運用をするのが重要だと思います。
(例えば、暗号通貨はこれらのサービスで投資するより、他の暗号通貨特化のサービスが良い筆者は考えています。暗号通貨でも3つほどの取引所・サービスで投資をしています)


本内容は、筆者自身の整理のために調べたものですが、欧州在住で資産運用を考える人の参考になれば幸いです!

それでは、Have a nice day!


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Posted by kkrchuzai