海外赴任中の仕事でストレスを感じる5つの場面とは?実体験と周りの海外駐在員へのヒアリングからのまとめ!
海外赴任をすると、駐在員本人や帯同する家族は色々なストレスに見舞われます。
筆者は現在2度目の駐在中ですが、1度目の駐在でも、今回でも、やはり様々なストレスは感じています。筆者は海外生活は結構好きですし、それなりに海外赴任/駐在適性はある方だと思うのですが、それでもストレスは感じます。
いや、むしろ、海外駐在・海外赴任はストレスとの戦いだと言ってもいいかもしれません。
本記事ではそんな海外駐在・海外赴任の、特に仕事上で感じるストレスについて、筆者の実体験と、これまで10名以上の周りの駐在員に駐在中のストレスについて聞いた結果からまとめます。
尚、これまで筆者は先進国・新興国、単身・帯同と違ったタイプの駐在経験があるので、色々な角度から見られるかなと思います。
本記事が、海外駐在中の読者の方にとっては、同じようなストレスを感じている人がいるのだなと少しの慰めになれば、そして海外駐在を目指しているや予定されている方にとっては、あらかじめ将来のストレスに備えるための参考になればと思っています。
プライベート・生活で感じるストレス5つについては別記事でまとめています。
海外駐在での仕事上のストレス5選
現地スタッフのパフォーマンスが悪い
よく聞くストレスですが、ちょっと色々な背景もあるストレスです。
例えば、新興国駐在では、そもそも現地スタッフが時間通りに出社しない、急に休む、仕事中どこかにいなくなる、といった事がよくあります。
例えば、筆者が新興国に駐在中の時は、9時の始業時間に毎回遅れてくるメンバーや、お昼&おやつ休憩でやたらと長い時間いなくなり仕事を進めないメンバーがいて、どうしたら良いのかたびたび筆者と上司と本人を交えて対策を話し合う時間を設けるなどをしていました。
勿論、文化の違いや、電車が時刻表どおりに運行しないなど、仕方ない理由もあります。
しかし、チームの生産性を上げるために日本より大きな労力が必要になるのは確かで、そこでストレスを感じる人は多いです。
また、管理職ポジションで赴任する人も多いと思いますが、現地スタッフとはお互い母国語ではない英語などでのコミュニケーションになるので、意思疎通が上手くいかずパフォーマンスが悪くなることも多いです。
やはり、海外ではどうしても現地スタッフの部下やメンバーのマネジメントにおいてストレスがたまりやすいです。
仕事の守備範囲が広く、勤務時間が長い
駐在員ポジションは、たいていの場合、日本での役割よりやらなくてはいけない仕事の範囲が広いです。
会社にも依りますが、現地に手厚いサポートスタッフがいることは珍しいのも一因です。
こういう時は、慣れていない契約や経理関係の仕事なども、全て自分である程度やらないといけません。
結果、雑務と言われるような業務が増えていき、勤務時間が長くなりがちです。
特に、1人で拠点を立ち上げて軌道に乗せるのがミッションの駐在は、この状態になりやすいです。
筆者が新興国に駐在していた時の上司がこの状態でした。ちょっとしたアシスタントを雇う以外は、オフィスの契約から経理や税金の計算まですべてカバーしていました。
こうした業務は外部の業者に依頼するにしても、やはりある程度自分でやる必要があるので、それだけでかなりの時間を取られます。
そこに筆者が駐在したのですが、1人増えただけでかなり楽になったと言っていました。
仕事の難易度が高い
このストレスのポイントは最近よく聞きます。
逆に、決まった型がある仕事ならば、現地の人材を雇用すればよいのです。
昨今、色々な事情により、駐在員で現地で決まったルーティン仕事をこなすというミッションは少なくなっているようです。高いコストをかけて現地に駐在員を送るのだから、難易度の高い仕事に挑戦させるという会社が多くなっています。
具体的には、新しい拠点や事業の立ち上げ、既存の事業を大きく変えるような成果を求められることが多くなっています。この点については別記事でも解説しました。
こうした仕事内容になると、高い難易度からストレスがたまることが多いです。特に、目標必達のプレッシャーがある場合はきついです。
筆者の今の欧州の仕事も、上司はいますし大まかな目標はありますが、自分で考えて自分で動いて、新たな事業を推進していくことが必要な状態です。
不慣れな地での事業環境の分析から人員の補充まで、全て自分で進めていく必要があります。
難易度が高く仕事の進捗が遅いととてもストレスになります。ストレス発散が重要だなと日ごろから思っています。
本社がウザい、OKY(お前が来てやってみろ)
これも本当によく聞くストレス要因です。
本社から的外れで現場の状況を見ていない指示がきたり、無駄で必要以上に手間がかかる報告を求めてくる等。本社と現場の認識違いに基づくストレスは駐在生活と切り離せないくらいよくあります。
こうした状況を表現して、一時期、OKY(O:お前が K:来て Y:やってみろ)というワードがとても流行りました。そして今でもよく使われています。
筆者が新興国に駐在時もOKYの状況はよくありました。
事業でトラブルがあると、本社はいちいち細かな書面での報告を求めてきました。その報告書を本社に提出すると、関連部署に回されて更に細かな質問が大量に来ます。それに答えないといけないのですが、答えても結局、何も手助けしてくれるわけではないのです。
その上、少しすると今までの報告や現場の状況を無視したかのようなむちゃぶり&丸投げの指示が来ます。
本当に、お前が来てやってみろ、とよく思いました。現場に寄り添ってくれない本社とのコミュニケーションは、駐在員にとって大きなストレス要因になります。
ただ、筆者の当時の上司はとてもできた人で、愚直に報告していました。筆者が愚痴を言ったら注意され、以下のように言われました。
「細かな報告を素早くきちんとすれば、本社も不安にならない。不安になると色々と質問したくなるし、駐在員に任せて大丈夫だろうかと思って変な指示をしてしまう。だから、駐在員が現地で仕事をスムーズにしたいなら、本社には細かく迅速に報告すべきだ。その方が結果的にやりやすくなる」
これは本当にそうだなと今でも思います。以降、筆者は本社向けの報告や対応を意識的に丁寧にやっています。
職場の人間関係が狭く、ガバナンスが効いていない
実は、駐在先では、上司が合わなくて病む人が本当に多いです。
駐在先は一般的に日本の事業所と比べ、逃げ場がなく他の人の目が届きにくい環境なので、人間関係が上手くいかないと強いストレスになりがちです。
例えば、筆者が新興国に駐在している時、別の都市の管理職で、部下の駐在員に対して少しでもミスがあると怒鳴り続けるようなザ・パワハラ管理職駐在員がいました。駐在先の国が合わず、本人もストレスがたまっていたようです。
また、現地スタッフはこうした問題を見ず知らずの本社に通報するのにはどうしても抵抗があります。
結果、本社が問題に気づいてくれず、ガバナンスが効いていない状態になってしまいます。
彼は、飲み会でも様々なパワハラをしていて、最終的に現地スタッフから本社に通報されて懲戒処分となり帰国しました。最終的に処分されたのは良かったですが、実はそれまでに何人かがこの人間関係のストレスが原因で心を病んでしまい、帰国していました。
海外の事務所の日本人駐在員という人間関係はどうしても閉鎖的なものになりがちです。
こうしたストレス要因にも気を付けなくてはいけません。
終わりに
以上、筆者の経験や、周りの駐在員へのヒアリングなどからまとめた海外赴任中の仕事でのストレス要因5つでした。
少し暗い気持ちになってしまいましたが、海外赴任中にどういったストレス要因があるのか、周りの人がどういうストレスを感じているのかを把握することは、健やかに生活するための参考になるかと思っています。
仕事上のストレスはある程度は成長に繋がりますが、程度を超えるとやはり身体に悪い影響があります。特に駐在時は医療との距離が遠くなることが多いので、心身に不調を感じたらすぐに現地やリモートで医療機関に相談することを強くお勧めします!
それでは、Have a nice day!
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