海外赴任中の生活でストレスを感じる5つの場面とは?現役駐在員が解説!
海外生活は、どんなに海外適性のある人でもストレスとの戦いだと思います。
筆者は2度目の海外駐在中ですが、以前の駐在でも、今回も、やはり様々なストレスは感じています。筆者は自分で自分のことを海外適性はある方だと思っているのですが、それでもストレスは感じます。
本記事ではそんな海外生活の、特にプライベートの生活で感じるストレスについて、筆者の実体験と、これまで10名以上の周りの駐在員に駐在中の生活ストレスについて聞いた結果からまとめます。
仕事上で感じるストレスについては別記事でまとめていますのでご覧ください。
海外生活のプライベートでのストレス5選
言語・文化の違い
かなり一般的なポイントなのですが、海外生活をしているとこのストレスは思ってもみない形でボディーブローのように効いてきます。
言葉が通じなくてレストランやお店の店員とのコミュニケーションに失敗するとかくらいならまだいいんですよ。むしろ、そういう買い物とかの定型的な受け答えは次第に慣れて出来るようになりますし、文化の違いがあってもそこまでずっと辛いということは無いです。
言語・文化の違いで本当にストレスを感じるのは、どうしても生理的に慣れない文化の違いや、初めての対応を外国語で迫られるような場合のストレスです。
例えば、インド駐在していた友人は、インド人が列に並ぶときに前の人にギリギリくっつくように並ぶのにどうしても慣れることができず、4年間の駐在の最後まで外出するのがずっとストレスだったと言っていました。
また、特に英語圏でない地域では、どんなに現地に慣れてもスーパーの商品などでは初めてみる単語が多く、毎回調べないといけないのでストレスに感じるという知人もいました。
他にもよく聞くのが、ネットの回線不調などで通信会社に電話しないといけないとかの場合です。
こういう、生活インフラ関連の手続きを外国語でやらなくてはいけないストレスは、なかなか数年の海外生活では取り除けません(たぶん十数年とか住めば大丈夫なんでしょうか…?)。結果として、どうしても日常的にストレスを感じてしまうことになります。
気晴らしがない
これは海外赴任先の場所によって強弱はありますが、よく聞くストレスポイントです。
今まで日本で慣れ親しんでいた気晴らしができない、フラっと遊びに行ける場所がない、というものです。思い返してみると、日本には(都市部であれば)その辺にカラオケもちょっとしたカフェも日本語の本屋も漫画喫茶もジムもいっぱいありますよね。
海外ではこうした気晴らしは選択肢が極端に少ないことがほとんどです。
また、例えば、筆者の友人はランニング好きだったのですが、海外赴任先がなんと大気汚染がひどいことで有名な中国の都市でした。大気汚染の数値が悪い日は外で走れず、ジムのトレッドミルで走るのはあまり気晴らしにならずとても辛かったと言っていました。
天候が悪い地域も結構ストレスを感じる人が多いです。欧州の北の方は、冬は寒く日照時間が少ないので、インドア派でない人にとって、冬はとても辛くストレスがたまりやすいです。
他にも、カラオケやお酒が好きな人がそういうお店のない地域、例えば中東やインドの一部の地域に赴任して、ストレスから暴食して太ってしまった話も本当に多く聞いたことがあります。
例外はゴルフが趣味でゴルフが気軽にできる国に行っているとか、サーフィンが好きで海辺の都市に駐在しているとかいう人です。
こういう人は気晴らしという観点でストレスを感じないらしいのでとても羨ましいですが、必ずしもそういう人ばかりとは限りません。(いわゆる、水が合う、というものだと思います)
多くの駐在員が駐在中に料理にハマるのは、天候に左右されず、設備も家にそろえられ、創意工夫ができて気晴らしになるからだと思います。
プライベートの人間関係が狭い
日本人会や駐妻界隈の人間関係がめんどくさくてストレスになるという人も多いです。
東京のように色々な人と気軽に知り合え、嫌な人からは気軽に距離を置ける世界から、急に駐在先の都市の日本人コミュニティという凄い小さな世界にくると、ストレスを感じる人は結構います。
例えば、筆者は比較的この「駐在先の人間関係」には運よく恵まれてきたのですが、それでも、某新興国の都市に単身で駐在した時、同じような単身駐在員が100人くらいしかいないという話を先輩駐在員から聞いて少し落ち込みました。100人なんて高校の同学年より少なくて、非常に狭い世界だなと思ったんです。
勿論、現地の友人を作ればよいという主張もあります。しかし、それはそれで文化・言語の違いで別のストレスを生んだりします。
海外生活では、一つのストレスを解消すると他のストレスが生まれたりするのです…
食生活が合わない
日本(特に東京)と同じように苦労せず色々な国のハイレベルな料理が食べられる都市は、世界に恐らく2-3都市しかありません。
日本食にこだわらなくても、何故か欧州なのにレストランでイタリアンやスペイン料理が日本より不味い、というのはよくあります。
どうしても外食で舌に合わないものを頼んでしまう確率を減らすのは難しいです。
一方、自炊するにしても、慣れ親しんだ食材は買えないので、新たな料理を身に着けるとか、何かしら工夫して日本の料理を作ることになります。
個人的な体験や周りの人から聞いた限りでは、やはり海外在住先で日本食ばかり食べようとしている人は結構ストレスを感じている場合が多いようです。
例えば、筆者は欧州赴任後しばらくは日本食を家で自炊するようにしていたのですが、やはり食材も違うし日本食材店で買える食材もそこまで美味しくないので、どうしても旨くできず、毎日ストレスを感じていました。
ただ、余談ですが、郷に入れば郷に従えで、現地の食材で現地の料理を身に着けるのが、一番美味しいものを食べられると個人的な体験からは思っています。
筆者は欧州赴任後1年くらいたったころから、ちょうどコロナで外食も難しかったのもアリ、現地のレシピで欧州現地の料理を勉強し始めました。地中海料理やイタリアン、ギリシャ料理など。
そうすると地場にある食材で美味しい料理が作れるようになり、今では日本食は週に1日も食べていません。最近はレシピと食材を届けてくれるミールキットなどのサービスもあるので、そうしたサービスを使うと身に着けやすいと思います。
若しかしたら、筆者も他に気晴らしがないので料理にハマっているだけかもしれませんが…笑
家族関係・教育などの不安
一番重いストレスになるのが家族関係や教育などの不安だと思います。
帯同している家族が英語や現地語ができない場合や、海外に慣れていない場合、駐在員がその家族の生活の面倒も頑張ってサポートしていくことになります。
しかし、同時に駐在員としての仕事も多く、どうしても「なんで俺/私ばっかり」という気持ちで家族に接してしまい、険悪な空気になることもあります。
こうした家族関係の不和からのストレスは非常に多く、駐在員同士でもかなり仲良くならないと話さないですが、実は家族関連でストレスを抱える人は多く、家族が先に帰国してしまったとか、帰国した後に離婚していたとか、そういう話はよく聞きます。
また、筆者が昔いた企業では、家族関連のストレスが原因で、仕事で部下やチームメンバーに厳しく当たってしまいパワハラをしてしまうというケースもありました。
また、教育関連では、子供がいる場合に特にストレスになることが多いようです。
現地の学校にうまく溶け込めないとか、溶け込めても日本に帰った時の学力や進学先が心配だとか、日本にいた時とは違ったレベルの教育関連でのストレスがあります。
筆者自身も子供がいるので、日々子供の教育と今後の進路について悩んでいて、帰国時期もわからない中で色々と計画しないといけないことでストレスを感じることも多いです。
海外駐在に行けば会社の補助でインターナショナルスクールにいけるから万歳!というのは外から見てよく言われる点ですが、教育は良い学校に連れて行ったら全て解決、というものではないので実際には不安は尽きません。
良い点も勿論あるのですが、総じて言うと、海外での教育はやはり日本での教育より親のストレス要因になりやすいと思います。
終わりに
以上、筆者の経験や、周りの駐在員へのヒアリングなどからまとめた、海外赴任中のプライベートでのストレス要因5つでした。
少し暗い気持ちになってしまいましたが、それでもこの記事を書いたのは、海外赴任中にどういったストレス要因があるのか、周りの人がどういうストレスを感じているのかを理解することは、健やかに生活するための参考になるのではと思ったからです。
海外生活に関するストレスは、放置するといつの間にか心を蝕むこともあり、海外駐在・赴任の大敵だと思います。
ただ、プライベートのストレスの方が、仕事のストレスよりも個人の努力と工夫で対処がしやすいようにも思っています。
筆者は、色々な生活上の工夫をして、海外生活のストレスを減らしています。
今度は、そうした海外赴任生活ハックみたいなものについてもまとめた記事を書ければと思います。皆様のお役に立てれば幸いです!
もちろん、心身に不調を感じたらすぐに現地やリモートで医療機関に相談することを強くお勧めします!
健やかな駐在生活、海外生活を!
それでは、Have a nice day!
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